なぜなに? 日食 Q&A  2012年 金環日食版

日食に関するよくある質問を、Q&A形式でまとめてみました。

2009年 皆既日食版 の Q&A はこちら

質 問

1.日食って何?
2.皆既日食や金環日食って何?
3.急に夜のように暗くなるの?
4.曇っていると見えないの?
5.日食の観察の仕方 −安全に観察するためには−
6.「第○接触」ってなんですか?
7.「食分」ってなんですか?
8.「コロナ」ってなんですか?
9.次の日食はいつ起こりますか?



回 答

1.日食って何?

 皆既日食の原理図
 皆既日食の原理 (月の見かけの大きさが太陽よりも大きい時)
 
 金環日食の原理 (月の見かけの大きさが太陽よりも小さい時)

日食(にっしょく)は、月が地球を周る過程で太陽を隠す現象です。 この時の月は、地球には太陽の影の部分を向けているため、全く見えません。 このため、日食が起こると、太陽の一部(部分日食)が欠けたように見えたり、 全部(皆既日食)が見えなくなったりします。
*
月は地球の周りを、およそ1ヶ月で1周しています。このため、日食は毎月起こりそうな 気がしますが、そうではありません。月の軌道は少し傾いているため、通常は太陽の少し 北側か南側をすり抜けており、なかなか太陽を隠すことはありません。 太陽の一部分のみを隠す「部分日食」は、見える範囲が割りあい広いので、日本でも数年 に一度程度は見ることが出来ます。全地球的には、毎年のようにどこかで日食が起こって います。
*
天体の接近や食は、古代から人々の畏れや崇拝の対象となっていました。九州が発祥とさ れる「天岩戸(あまのいわと)」の神話も、日食が題材になったものと言われています。 現代では、日食は純粋な天文現象であることが分かっておりますが、大自然の営みを目の 当たりにすることの出来る絶好の機会です。


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皆既日食
皆既日食
金環日食
金環日食

2.皆既日食や金環日食って何?

皆既日食(かいきにっしょく)とは、月が太陽の全部を隠した状態です。
*
太陽は月の約400倍の大きさがありますが、距離も400倍遠方にあるため、見かけの大きさ は偶然(?)にもほぼ同じです。ところが、月と地球の公転軌道は厳密な円ではなく距離が変わるため、見かけの大きさは変化し、太陽よりも小さい時と大きい時があります。 日食において、その中心線上に観察者がいる場合、月の見かけの大きさが太陽よりも大き ければ、太陽を全て覆い隠す状態となります。これを皆既日食といいます。 一方、逆に月の見かけの大きさが太陽よりも小さいと全てを覆い隠すことが出来ず、薄皮 状に太陽面が残ります。これを金環日食(きんかんにっしょく)といいます。
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皆既日食や金環日食の見られる範囲は、帯状のごく狭い範囲です。これを「皆既日食帯」 「金環日食帯」といいます。帯の幅は狭すぎてなかなか見ることが出来ないので、通常は その帯の地域まで旅行して観察することになります。太陽の一部が欠けて見える「部分日 食」は見える範囲が広いので、旅行することなく数年に一度見られます。

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3.急に夜のように暗くなるの?
金環日食の風景
金環日食の風景
金環日食中は普段の昼間のよう
(画像提供:塩田和生様)

皆既日食中は、急に夜のように暗くなり、皆既が終わる瞬間に急に明るくなります。 部分日食や金環日食では、まだ太陽面が見えているため、夜のような暗さにはなりません。 少しでも太陽面が見えていると十分に明るいのです。
皆既日食中には、太陽面が明るすぎて、普段見ることの出来ないコロナ(太陽の大気)を、目で直接観察することが出来ます。また、コロナ自身がわりと明るいので、皆既中でも月夜 くらいの明るさはあります。皆既中には、明るい星も観察することが出来ます。
一方で、部分日食や金環日食では、よほど注意していないと暗くなったとは感じません。右の写真は金環日食中の風景です。

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4.曇っていると見えないの?

残念ながら見られません。旅行しての観察の場合は、事前に調べてなるべく晴天率の高そ うなところを選びましょう。 曇った場合でも、皆既中の夜のような暗さを体感することは出来ます。

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5.日食の観察の仕方 −安全に観察するためには−
太陽観察用保護メガネ 太陽投影板
太陽観察用保護メガネ 太陽投影板

部分食や金環食は、太陽面が見えているので、安全に十分配慮する必要があります。 太陽に望遠鏡を向けることはたいへん危険を伴い、直接裸眼でのぞくと失明のおそれがあ ります。また、肉眼で観察する場合、プラスチックの下敷きやカメラ用のNDフィルターで は 長時間見続けると網膜に障害を起こす恐れがあります。 できれば当館のような公共の天文施設を利用して観察して下さい。自宅で観察される場合 には、投影法などの安全な方法で観察して下さい。

◎ 太陽観察用の保護メガネ
◎ 望遠鏡の観察では、太陽投影板を使用
○ 感光した白黒写真フィルムの切れはし
× プラスチックの下敷き(たいへん危険)
× カメラ用NDフィルター
× 感光したカラー写真フィルムの切れはし

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「第○接触」解説図

6.「第○接触」ってなんですか?

日食の進行過程を示すもので、金環日食の場合は時間順に、

「第1接触」部分食の始まりの瞬間
「第2接触」金環の始まりの瞬間
「第3接触」金環の終了の瞬間
「第4接触」全過程の終了の瞬間

です。英語ではそれぞれ「First contact」「Second contact」「Third contact」「Fourth contact」 といいます。

皆既日食の場合の進行過程はこちらを参照ください

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「食分」解説図 7.「食分」ってなんですか?

食分とは日食において、月に隠された太陽の直径の比率です。 例えば、「食分0.5」は、太陽直径の半分まで食の進んだ状態です。(見えている太陽表面 の面積の割合ではありません。)見かけの月の大きさは太陽よりも小さい 金環日食の場合は、食分が 1 を超えることはありません。

皆既日食の場合の食分解説はこちらを参照ください

さらに詳しい食分の解説はこちら「意外と知られていない金環と皆既の食分」を参照ください


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コロナ 8.「コロナ」ってなんですか?

太陽を取り巻く「太陽の大気」をコロナと呼びます。通常は太陽面が明るすぎて、専用の 望遠鏡を使わないと観察できませんが、皆既中はその姿を見ることができます。 太陽の周りを真珠色に淡く取り囲んで輝き、太陽面に近いところほど明るく、遠くなると急に薄くなります。 コロナとは「王冠」という意味があります。
金環日食においては、残念ながら皆既日食のときのように見事なコロナを見ることはできません。


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9.次の日食はいつ起こりますか?

2008年から2016年に起こる日食を以下の表に示します。 (日付は世界時)

年月日(UT) 種別 見られる地域
2008年 2月 7日 金環日食 南氷洋
2008年 8月 1日 皆既日食 北極,ロシア,中国
2009年 1月26日 金環日食 アフリカ南方,インド洋,東南アジア
2009年 7月22日 皆既日食 中国,日本(トカラ列島),太平洋
2010年 1月15日 金環日食 アフリカ,インド洋,中国 (西日本で、部分日食が見られる)
2010年 7月11日 皆既日食 南太平洋
2011年 1月 4日 部分日食 東ヨーロッパを中心とする地域
2011年 6月 1日 部分日食 東日本でわずかながら見られる
2011年 7月 1日 部分日食 南氷洋
2011年11月25日 部分日食 南氷洋
2012年 5月21日 金環日食 九州南部から東北南部の広域
2012年11月13日 皆既日食 オーストラリア,南太平洋
2013年 5月10日 金環日食 オセアニア,太平洋
2013年11月 3日 金環/皆既日食 大西洋,アフリカ中部
2014年 4月29日 部分日食 南氷洋,オーストラリア
2014年10月23日 部分日食 北アメリカ
2015年 3月20日 皆既日食 北大西洋
2015年 9月13日 部分日食 南氷洋
2016年 3月 9日 皆既日食 東南アジア,太平洋
2016年 9月 1日 金環日食 アフリカ,インド洋

また、前回日本国内で見られた金環日食と皆既日食は以下の通りです。  (日付は日本時)

年 月 日 種別 見られた地域
1943年 2月 5日 皆既日食 北海道 国内陸地で部分食を含む全経過の見られた皆既日食
1948年 5月 9日 金環/皆既日食 礼文島(北海道) 食分1.0。 金環と皆既の境界にあたる日食
1958年 4月19日 金環日食 奄美大島〜種屋久
1963年 7月21日 皆既日食 北海道東部 皆既は北海道東部のみで、日の出帯食
1987年 9月23日 金環日食 沖縄本島
1988年 3月18日 皆既日食 小笠原近海 皆既帯は、国内の島しょ部には上陸していない
2009年 7月22日 皆既日食 中国,日本(トカラ列島),太平洋

次回日本国内で見られる金環日食と皆既日食は以下の通りです。  (日付は日本時)

年 月 日 種別 見られる地域
2012年 5月21日 金環日食 九州南部から東北南部の広域
2030年 6月 1日 金環日食 北海道
2035年 9月 2日 皆既日食 北陸〜関東地方

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