2012年5月21日の金環日食の最大食分には、以下の二つの予報があることをご存知でしょうか?
東京における最大食分
さて、どちらが正しいのでしょうか? じつはどちらも正しいのです。このページでは食分の計算について詳しく解説します。
(予報 1) : 0.97 国立天文台, アストロアーツ 等
(予報 2) : 0.94 NASA, せんだい宇宙館 等
基本は部分日食の食分計算
部分日食における食分は、左図のように、月に隠された太陽の直径の比率です。 このことは基本で、割合によく知られていることでしょう。(注)太陽面の食された面積の割合ではありません。
それでは、金環日食や皆既日食においてはどのように計算するのでしょうか?
食分計算には2つの流儀があるあまり知られていないことに、金環と皆既中には二種類の流儀が混在しています。
■流儀1: B寸法の 片端を太陽縁 に取る
部分食から連続的に変化する。国内ではこちらが主流。■流儀2: B寸法の 両端を月縁 に取る
部分食と不連続。金環(皆既)中の値は一定。海外で採用されることが多い。※ 双方の流儀ともA寸法は太陽直径
金環日食においては、食分は常に1以下となります。
金環(皆既)中の「流儀1(中心線上最大値)」と「流儀2」間の食分には、以下の関係があります。■ (流儀1の最大食分)= ((流儀2の食分)+1)/2
■ (流儀2の食分)= 2×(流儀1の最大食分)−1
中心線から外れた金環帯,皆既帯では上記は、金環日食,皆既日食において日食中心線上での説明です。中心線から外れた金環帯,皆既帯では以下のグラフとなります。
「流儀1」では最大食まで含めて緩やかなカーブとなります。「流儀2」は、金環帯,皆既帯の中であれば中心線上と同じです。
* 金環日食では、皆既日食のとき以上に食分に関する問い合わせが予想されます。 なぜなら、太陽を全部隠す皆既では最大食分はそれほど重要でなかったからです。
金環日食では食分が大きい(1に近い)ほど、見えている太陽の縁が狭くなる指標となります。
ちなみに、皆既月食における食分では常に「流儀1」が採用されています。
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