不適切な照明が、星空や生態系に与える悪影響は"光害(ひかりがい)"と呼ばれます。
熊本県が可決した条例は、光害が及ぼす、(1) 動植物や農作物への悪影響 (2) 天体観測への悪影響
(3) 交通機関への悪影響 を防止するために、屋外照明設備の設置者の責務と公共の場所の管理者の責務を
定めたものです。特に、遊戯施設などに見られる サーチライト、レーザー類の特定の対象物を照射しない投光器の使用を禁止しています。
条例の施行は、本年10月1日です。
国内において、光害に対する条例が制定されたのは、岡山県美星町が
最初です。
1998年3月には当時の環境庁により、
「光害対策ガイドライン」がまとめられました。
同種の条例は、熊本県内では 2002年6月に熊本県上益城郡清和村
にて可決し施行されています。
そしてこのほどの熊本県のものは、都道府県レベルでは 岡山県,
佐賀県
に続き全国で3例目となりました。これら3県の条例ではいずれも、投光器の違反に対して、知事による使用停止命令の権限と、命令に従わない場合には5万円以下の罰金という罰則が
設けられています。
同県内で光害に対する提言を続けてきた艶島敬昭(NPO法人 熊本県民天文台台長)さんは、 「"星空の見えるまちづくり" という考えで、自発的で積極的な光害対策が少しでも広がるよう期待しています。」 と語っておられます。今後も美しい星空を守るための声が、多くの方々の共通の願いとなりますよう期待します。