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2002.10.10 佐賀県議会が光害防止の条例を可決


10月4日、佐賀県議会は「佐賀県環境の保全と創造に関する条例」を可決し、県は10月7日に同条例を公布しました。
この条例は、人の健康や生活環境の維持,自然環境の保全を目的とした広範なもので、 条文の中には、パチンコ店などのサーチライトの投光を規制する項目も盛り込まれています。 投光器の違反については、知事による使用停止命令の権限と、命令に従わない場合には5万円以下の罰金という罰則が 設けられていることが、大きな特色となっています。
不適切な照明が、星空や生態系に与える悪影響は"光害(ひかりがい)"と呼ばれ、1998年3月には当時の環境庁により、 「光害対策ガイドライン」がまとめられました。 光害の防止を目的とした条例は、1989年に岡山県美星町 が全国に先駆けて制定し、九州では本年6月に熊本県上益城郡清和村 による条例が可決し施行されています。このほどの佐賀県の条例は、 都道府県レベルでは岡山県 に続き2例目となりました。
県内で光害に対する提言を続けてきた佐賀天文協会事務局長の副島勉さんは、 「大きな第一歩。これは、環境に対する県の真摯な取り組みによる快挙です。」と語っておられます。

以下に、10月7日に発行された、佐賀県広報(号外)に掲載された条例文の中から、光害に関わる部分を抜粋して 掲載致します。


佐賀県環境の保全と創造に関する条例(光害に関する部分を抜粋)

■ 条例
佐賀県環境の保全と創造に関する条例をここに公布する。
平成十四年十月七日
佐賀県知事  井本 勇

○佐賀県条例第四十八号
佐賀県環境の保全と創造に関する条例

第一章  総則
<目的>
第一条  この条例は、佐賀県環境基本条例(以下「環境基本条例」という。)第三条に規定する基本理念
        にのっとり、人の健康や生活環境に係る被害の防止及び自然環境の保全に必要な措置を定め、県
        民すべての参加のもと、環境への負荷の少ない循環を基調とする社会及び人と自然が共生する
        うるおいのある社会を形成するため、環境の保全と創造に向けた取り組みを推進し、もって県民
        の健康で文化的な生活を確保することを目的とする。

第六章
第八十四条  事業者は、屋外においてサーチライト、レーザー等の投光器を、特定の対象物を照射する目
        的以外の目的で使用してはならない。ただし、規則で定める場合は、この限りでない。
    2   知事は、前項の規定に違反しているものに対し、当該違反状態での投光器の使用の停止を命ずる
        ことが出来る。

第七章  罰則
第百二条  次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
    一  第九条第一項(騒音、振動又は悪臭に係るものに限る。)又は第二十六条第一項の規定による届
        出をせず、又は虚偽の届出をした者
    二  第十三条第一項(騒音、振動又は悪臭に係るものに限る。)又は第三十条第一項の規定に違反し
        た者
    三  第二十二条又は第八十四条二項の規定による命令に違反した者

付則
<施行期日>
    1   この条例は、平成十五年四月一日から施行する。

(経過措置)
    3   この条例の施行の際現に屋外において第八十四条一項に規定する投光器を特定の対象物を照射す
        る目的以外の目的で使用している者については、この条例の施行の日から六月を経過する日まで
        の間は、同条の規定は適用しない。



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