金環日食を観察しよう


   2009年7月22日 には、鹿児島県のトカラ列島を中心とした皆既日食が起こりました。この時の全国的な盛り上がりはまだ記憶に新しことでしょう。 そして、2012年5月21日には 鹿児島県を含む日本国内の広い地域で金環日食が起こります。2009年の日食では国内のほとんどの地域が部分日食でしたので、 2012年の金環日食ではさらに大きな盛り上がりを期待しましょう。
国内で起こる金環日食は、1987年(沖縄本島)以来25ぶり、次回は 2030年(北海道)の18年後になりますから見逃せません。 世紀の天文ショーをたっぷりと楽しみましょう。

金環日食は、太陽面が見えているので裸眼での観測はとても危険ですから、安全に十分配慮して観察してください。

金環日食の観察テーマ
太陽面が全部隠されない金環日食では、夜のような暗さにはなりません。少しでも太陽面が見えていると人間の眼には十分明るいことと、 ゆっくりと欠けていくために目が慣れていくためです。 しかし、金環日食でも実際の太陽光は激減していますから、普段は起こらない現象が見られるかもしれません。 それでは、どんな観察テーマがあるか提案します。

太陽の欠ける様子をスケッチしよう
太陽が欠けていく様子を記録してみましょう。記録する方法は、スケッチや写真による方法がお勧めです。

ピンホールの太陽像 や 木漏れ日 を記録しよう
テレホンカードや厚紙に、小さな丸孔(ピンホール)を空けて、太陽の光を通して ついたてや地面に映してみましょう。ふだんなら、小さな丸い点になるので気にすることもないのですが、 日食の進行過程でどんな形になるかを記録します。

ピンホールを地面から離すほど、太陽の大きさは大きく映ります。ピンホールと地面の距離を 1m とすると、太陽の像は直径 9mm くらいの大きさになります。 またピンホールの大きさを小さくするほど太陽の像は鮮明になりますが、像の明るさは暗くなります。
また、木漏れ日もたくさんのピンホールと同じですから、興味深い木々の影を見ることが出来ます。
注意したいのは現象時の太陽の高度。今回の金環日食は早朝に起こりますので、金環時の太陽高度はわずか24度(於:鹿児島)しかありません。 木漏れ日を観察する場合には、木の西側に建物の白壁があるところを探しておく等のロケーションが必要です。

太陽投影板を使って記録しよう
この方法は、望遠鏡を使って太陽の光を直接太陽投影板に投影する方法で、とても詳しく太陽の様子を記録することが出来ます。 太陽投影板の位置にスケッチ用紙を敷いて、太陽の輪郭をなぞって記録します。 太陽黒点が出ていたら、それも記録するとよいでしょう。
詳しい観察方法は、こちら にまとめましたので参考にして下さい。
   注意:望遠鏡を直接太陽に向けるため、十分に注意して観察しましょう。アイピース付近に顔を近づけたり手を出したりすると大変危険です。

いずれの方法でも、太陽は少しづつ空を移動していきますから、スケッチ用紙やカメラの姿勢がバラバラにならないよう、 統一した基準を設定して観察に望みましょう。

例:
(1)常に東西の方向に合わせる。これは、太陽が移動していく方向が西ですので、これを基準に取る方法です
(2)常に天頂の方向に合わせる。 等
ちなみに、専門家は(1)の方法で基準を合わせて記録しています。

金環日食最大時の星空 (県本土/全天)
金環日食最大時の星空 (県本土/地平座標)
昼間でも星が見えるかな?
昼間でも星は出ているのですが、太陽がまぶしすぎて星の光は負けてしまうために見ることが出来ません。 しかし、金環日食中は太陽の光量が10パーセント程度までに落ちるので、明るい星なら肉眼でも見つけることができるようになります。 さて、どの明るさの星まで見えるのかな? チャレンジしてみましょう。

見えるかもしれない!? 星のリスト
星の名前 明るさ(等級)備 考
金 星 -4.4 等 
木 星 -2.0 等太陽に近い
水 星 -1.5 等太陽に近い
ベガ(おりひめ星)0.0 等こと座
カペラ 0.1 等ぎょしゃ座
アルタイル(ひこ星)0.8 等わし座
アルデバラン0.9 等おうし座
フォーマルハウト1.2 等みなみのうお座
デネブ 1.3 等はくちょう座

  1.5等星まで掲載。数字が小さいほど明るい星です

■ 昼間の星 観察用星図 ■

全天 カラー星図 (GIF: 105KB)   全天 印刷用星図 (GIF: 31KB)
地平座標 カラー星図 (GIF: 50KB)   地平座標 印刷用星図 (GIF: 24KB)

鳥や動物たちの行動を観察してみよう
だんだんと弱くなる太陽の光に、鳥や動物たちはどんな反応をするのでしょうか。 夕方になったのと間違えて、巣に戻ったりしないかな? 鳴き声や行動を観察してみましょう。


ホームへ戻る日食メニューへ戻る
ホームへ戻る日食メニューへ戻る