2007年9月〜10月 に、立て続けに3回の火星による8等星,9等星の恒星食が起こります。
この時期の火星はおよそ0等級で、隠される恒星は最も明るいものでも 8.2等ですので、難しい観測になることは必至です。
しかしながら、たいへん珍しい現象ですので、観測の計画のためにこの貴重な現象の予報を掲載いたします。
ビデオによる観測においては、光度差が大きいため、なるべく拡大して火星の輝度を落とすことがポイントとなります。
※ これらの予報は、相馬充氏(国立天文台) のご厚意により掲載しております。
■ 9月中旬〜10月初旬の火星の動き
全国で潜入と出現が見られます。出現側は火星の暗縁側になりますので、出現側が特に注目されます。
対象星 HIP 28510 (mag8.2) は、おうし座とふたご座の境界付近にある散開星団NGC 2129 の一員です。
対象星のすぐ南2'には、HIP 28513 (mag7.4)があります。現象時の高度も高く、他の2本よりも恒星が明るいため、最も注目したい現象です。
出現側は、狭いながらも火星の暗縁ですから、出現側の方が観察しやすくなります。
■ 9月21日 24時00分頃 火星による TYC 1862-1020-1 (mag9.3) の食
Edwin Goffin 氏(ベルギー)による予報
相馬充氏(国立天文台)による予報
9月21日 JST
都市 潜入 高度 出現 高度
札 幌 24:00.1 22.8 24:03.7 23.5
仙 台 23:59.2 21.3 24:03.9 22.2
東 京 23:58.8 19.7 24:03.9 20.7
京 都 23:58.8 16.4 24:03.7 17.4
福 岡 23:58.8 11.8 24:03.4 12.7
鹿児島 23:58.5 11.2 24:03.5 12.1
那 覇 23:57.8 6.7 24:03.5 7.9
■【注目】 9月30日 4時00分頃 火星による HIP 28510 (mag8.2) の食
この現象の星食北限界線は、北九州・大阪・名古屋・横浜などの各都市を通っており、食が起こるのはこの南側になります。
限界線上は、極めて珍しい「火星による接食」が見られることになります。
Edwin Goffin 氏(ベルギー)による予報
相馬充氏(国立天文台)による予報
9月30日 JST
都市 潜入 高度 出現 高度
札 幌 (04:01.1, 1".1, 66.4)
仙 台 (04:00.8, 0".4, 69.7)
東 京 (04:00.6, 0".0, 70.6)
京 都 (04:00.2, 0".0, 68.1)
大 阪 03:59.8 67.9 04:00.5 68.0
高 知 03:58.8 66.6 04:00.9 67.0
福 岡 03:59.1 64.2 04:00.0 64.4
鹿児島 03:57.9 64.6 04:01.1 65.2
那 覇 03:56.2 62.3 04:01.7 63.5
括弧内は最接近時刻とそのときの角距離と高度.
高度の単位はすべて度.
星食限界線(この線の南側で見られる) | 火星に対する恒星の軌道 |
---|---|
画像をクリックすると拡大図(PNG形式)を表示します |
散開星団 NGC 2129 付近の星野
低空での現象です。東日本ほど高度が高くなり観測しやすくなります。
それでもやっと10度を超える程度で、対象星はわずか 9.2等ですから、極めて困難な観測となります。
この観測も前2回同様、火星の暗縁側となる出現側が注目されます。
■ 10月1日 22時40分頃 火星による TYC 1864-1817-1 (mag9.2) の食
Edwin Goffin 氏(ベルギー)による予報
相馬充氏(国立天文台)による予報
10月01日 JST
都市 潜入 高度 出現 高度
札 幌 22:39.6 12.2 22:45.5 13.2
仙 台 22:39.7 10.1 22:44.5 11.0
東 京 22:39.8 8.3 22:44.0 9.1
京 都 22:39.6 5.1 22:44.2 6.0
福 岡 22:39.5 0.5 22:44.4 1.4
鹿児島 22:39.7 -0.4 22:43.9 0.4
那 覇 22:40.4 -4.9 22:42.6 -4.5
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