2007.9月21日24時 , 9月30日04時 , 10月1日22時40分

火星による恒星食の予報
- Occultation by Mars -


■ 2007.9.21〜10.1 火星による恒星食が3回起ります - 注目は 9月30日04時 火星の接食 -

2007年9月〜10月 に、立て続けに3回の火星による8等星,9等星の恒星食が起こります。
この時期の火星はおよそ0等級で、隠される恒星は最も明るいものでも 8.2等ですので、難しい観測になることは必至です。 しかしながら、たいへん珍しい現象ですので、観測の計画のためにこの貴重な現象の予報を掲載いたします。
ビデオによる観測においては、光度差が大きいため、なるべく拡大して火星の輝度を落とすことがポイントとなります。
※ これらの予報は、相馬充氏(国立天文台) のご厚意により掲載しております。

9月21日24時00分頃 TYC 1862-1020-1 (mag9.3) の食
: 恒星がやや暗い。全国で潜入と出現が見られる。

9月30日 4時00分頃 HIP 28510 (mag8.2) の食
: 北九州・大阪・名古屋・横浜 で接食。限界線より南で見られる。3本中最も注目したい現象。

10月 1日22時40分頃 TYC 1864-1817-1 (mag9.2) の食
: 恒星がやや暗い。超低空のため観測は困難か?

■ 9月中旬〜10月初旬の火星の動き


■ 9月21日 24時00分頃 火星による TYC 1862-1020-1 (mag9.3) の食

全国で潜入と出現が見られます。出現側は火星の暗縁側になりますので、出現側が特に注目されます。

 Edwin Goffin 氏(ベルギー)による予報

 相馬充氏(国立天文台)による予報
  9月21日 JST
  都市      潜入   高度     出現   高度
 札 幌   24:00.1  22.8   24:03.7  23.5
 仙 台   23:59.2  21.3   24:03.9  22.2
 東 京   23:58.8  19.7   24:03.9  20.7
 京 都   23:58.8  16.4   24:03.7  17.4
 福 岡   23:58.8  11.8   24:03.4  12.7
 鹿児島   23:58.5  11.2   24:03.5  12.1
 那 覇   23:57.8   6.7   24:03.5   7.9


【注目】 9月30日 4時00分頃 火星による HIP 28510 (mag8.2) の食

対象星 HIP 28510 (mag8.2) は、おうし座とふたご座の境界付近にある散開星団NGC 2129 の一員です。 対象星のすぐ南2'には、HIP 28513 (mag7.4)があります。現象時の高度も高く、他の2本よりも恒星が明るいため、最も注目したい現象です。 出現側は、狭いながらも火星の暗縁ですから、出現側の方が観察しやすくなります。
この現象の星食北限界線は、北九州・大阪・名古屋・横浜などの各都市を通っており、食が起こるのはこの南側になります。 限界線上は、極めて珍しい「火星による接食」が見られることになります。

 Edwin Goffin 氏(ベルギー)による予報

 相馬充氏(国立天文台)による予報
  9月30日 JST
  都市      潜入   高度     出現   高度
 札 幌      (04:01.1, 1".1, 66.4)
 仙 台      (04:00.8, 0".4, 69.7)
 東 京      (04:00.6, 0".0, 70.6)
 京 都      (04:00.2, 0".0, 68.1)
 大 阪   03:59.8  67.9   04:00.5  68.0
 高 知   03:58.8  66.6   04:00.9  67.0
 福 岡   03:59.1  64.2   04:00.0  64.4
 鹿児島   03:57.9  64.6   04:01.1  65.2
 那 覇   03:56.2  62.3   04:01.7  63.5

括弧内は最接近時刻とそのときの角距離と高度.
高度の単位はすべて度.
星食限界線(この線の南側で見られる)火星に対する恒星の軌道

画像をクリックすると拡大図(PNG形式)を表示します

散開星団 NGC 2129 付近の星野


■ 10月1日 22時40分頃 火星による TYC 1864-1817-1 (mag9.2) の食

低空での現象です。東日本ほど高度が高くなり観測しやすくなります。 それでもやっと10度を超える程度で、対象星はわずか 9.2等ですから、極めて困難な観測となります。 この観測も前2回同様、火星の暗縁側となる出現側が注目されます。

 Edwin Goffin 氏(ベルギー)による予報

 相馬充氏(国立天文台)による予報
 10月01日 JST
  都市      潜入   高度     出現   高度
 札 幌   22:39.6  12.2   22:45.5  13.2
 仙 台   22:39.7  10.1   22:44.5  11.0
 東 京   22:39.8   8.3   22:44.0   9.1
 京 都   22:39.6   5.1   22:44.2   6.0
 福 岡   22:39.5   0.5   22:44.4   1.4
 鹿児島   22:39.7  -0.4   22:43.9   0.4
 那 覇   22:40.4  -4.9   22:42.6  -4.5


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