シュワスマン・ワハマン第3周期彗星(73P Schwassmann-Wachmann) は、5.4年の公転周期を持つ周期彗星です。
今年はこの彗星が回帰する年に当たりますが、今回は地球に 0.07天文単位 まで近づきました。
分裂した主核のC核はこれまでのところ予報よりも明るくなっておらず、肉眼で見ることは困難ですが、
副核のB核は急激に増光し、空の暗いところでは肉眼でも認められるほどになりました。
C核,B核ともに双眼鏡を使うと短い尾を引いた姿を観察できるほどになりました。
最接近は5月中旬で、これからは徐々に遠ざかっていきますが、今後も急激な変化がないか注目されます。
(更新:2006.5.18)
2006年3〜4月 73P/ シュワスマン・ワハマン第3周期彗星 の画像
観測資料 シュワスマン・ワハマン彗星(すいせい)がやってくる
小石川正弘さんのコメントより
撮影日:2006年5月17日
川野伴睦さんのコメントより
撮影日:2006年5月12日 04h01m43s 露出91秒
シュワスマン・ワハマン彗星 B核
17日に撮影致しました73P−Bの写真を貼付しておきます。
軽量化を図った15cmでございます。
Cを撮影しようと思いましたら、急速に霧が発生してきてだめでした。
12日早朝は3時20分に起きて外に出ると意外に?晴れていました。
西の空低くには大きな月があり,透明度もあまり良くありませんでした
が73P(C核)は双眼鏡で簡単に見つかりました。
肉眼でも何とか見えている様な気がしました。
早速撮影に取りかかりましたが,薄明が始まるまでの僅かな時間しか
無かったので今回は,F2開放,ISO800で撮影しました。
4時過ぎに月が沈んだのですが4時10分には曇られてしまいました。
その後清和高原天文台の花草さんがみえ,B核が異常に明るかった
との事でしたが,C核から撮影にかかったためB核は見なかった事が
後悔されました。
また月の影響を受けない,22日頃から観測を再開したいと思っており
ます。
カメラ:EOS Kiss Digital ISO800
レンズ:250mmF2 開放
撮影地:熊本県清和高原
撮影者:川野伴睦(福岡県宇美町)
シュワスマン・ワハマン彗星 C核 | B核 |
小石川正弘さんのコメントより
やっとの事で晴れてくれましたが・・・
薄明中での撮影となりました。
B核は大変見事な姿となりました。
分裂したせいでしょう。
これから月明かりの影響受けるのは残念です。
撮影日:2006年5月12日
シュワスマン・ワハマン彗星 C核 |
シュワスマン・ワハマン彗星 B核と球状星団M13 |
田名瀬良一さんのコメントより
(C核−上の画像)
C核の5月5日時点での明るさ : 5.1等級(ステラナビゲータVer7による数値)
5月4日の画像と比較してあまり変わりばえしません。増光の勢いが予報よりも鈍い感じです。
もはや双眼鏡を使えばはっきりとその姿を捉えることができますが、肉眼ではまだ位置を探す事さえ難しく、
天文に詳しくない一般の人達が自分の目で見て楽しむまでには今一歩及ばずといったところです。
核が分裂し、バーストを起こして大増光してくれれば
いいのですが・・・・・。2分露光きざみの露光ですと恒星と恒星の間隔がだいぶ離れてきました(つまり彗星の単位時間あたりの
移動量が多くなってきているということです)。地球に接近中であることを肌で感じます。
(B核とM13星団−下の画像)
B核の5月5日時点での明るさ : 7.1等級(ステラナビゲータVer7による数値)
M13の形を崩さない様に恒星の位置基準にてコンポジットしてありますので彗星の方は伸びて写っています。
(核が分裂したわけではないので注意願います)
この2ショットを撮影すべく事前にあれこれ計画を立てていました。これさえ撮れれば大満足。
撮影日:2006年5月5日
(上) 02h37m〜02h57m 2分露光×10枚 彗星の核の位置にてコンポジット
(下) 0h55m〜01h11m 2分露光×8枚
望遠鏡:タカハシε-180ED
赤道儀:EM200 Temma2
カメラ:Nikon D200 ISO800
撮影地:三重県伊賀市西湯舟
撮影者:田名瀬良一(三重県伊賀市)
小石川正弘さんのコメントより
それにしてもすばらしいゴールデンウィークなのにお天気はいまいちで閉口しています。
それでも4日から5日にかけて晴天に恵まれちょっと暗めの73Pを観測できました。
それにしても明るくなりません。16倍70mm双眼鏡で見るとM13はばっちり、73Pは実にショボイ姿です。
15cm反射ではよく見えています。
写真写りもばっちりですが、もう少し明るくなって皆さんを楽しませてほしいものです。
撮影日:2006年5月5日
SW3/B核とM13のランデブー
松下優さんのコメントより
GW晴天に恵まれ、空の条件のいい場所でSW3を撮ることが
できました。
空の暗い場所なら、B核C核共に50mm双眼鏡でも容易に見つける
ことができます。ダストテイルの広がりが特徴的です。
撮影日:2006年5月5日 03h06m
望遠鏡:BORG125F2.8ED→F3.3
赤道儀:タカハシ90S
カメラ:EOS Kiss Digital(改)
2分露出×2枚コンポジット
撮影地:茨城県北茨城市
撮影者: 松下 優(鹿児島県天体写真協会)
佐伯和久さんのコメントより
現在地球に1500万km(太陽と地球の距離〔1億5000万km〕の1/10)
まで接近しています。一番接近するのは今月中旬です。
昨夜は20cmの望遠鏡を使って彗星を見ました。
地球に接近しているので移動が速く、星々の間を移動していく様子がわかりました。
撮影日:2006年 5月5日
撮影者:佐伯和久(鹿児島県天体写真協会)
川野伴睦さんのコメントより
73Pの場所の確認のため小笠原さんと双眼鏡で一緒に見ていたとき,丁度核付近が明るくなりました。
お互い一緒に「あら」と声を出したので間違い無いと思いますがこのような事あるのでしょうか?バーストとか???
明るさは1〜2等星程度,極僅かな時間(1秒以下)明るくなったようでした。
時刻は概ね5/3日の23:43分程度です。
撮影日:2006年5月4日 01h30m 露出571秒
カメラ:EOS Kiss Digital
レンズ:250mmF2→2.8
撮影地:熊本県清和高原
撮影者:川野伴睦(福岡県宇美町)
SW3彗星C核
松下優さんのコメントより
コマの部分がほんのりと緑色を帯びて写っています。地球に近づいてきた証拠です。
撮影日:2006年5月4日 0h40m
望遠鏡:BORG125F2.8ED→F3.3
赤道儀:タカハシ90S
カメラ:EOS Kiss Digital(改)
5分露出×2枚コンポジット
撮影地:福島県鹿角平牧場
撮影者: 松下 優(鹿児島県天体写真協会)
佐伯和久さんのコメントより
夜半から晴れてきたので彗星を撮ってきました。
各2分露出でやったのですが、彗星核が流れて写りました。
かなり移動が早いですね。
天気も下り坂に向かい、月没も夜半を超えたので、
条件良く撮影できるのは今夜が最後かもしれません。
撮影日:2006年 5月3日
撮影者:佐伯和久(鹿児島県天体写真協会)