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2004.12月 年末年始に明るくなる マックホルツ彗星(すいせい)


2004年12月5日のマックホルツ彗星 撮影:松下優(鹿児島天体写真協会)
マックホルツ彗星(C/2004Q2 Machholz)は、米国カリフォルニア州在住ベテラン彗星捜索家の マックホルツ氏 (Machholz, D.E.)が 2004年8月27日に発見した新彗星です。
この彗星は、2005年1月24日に太陽に最も近づきます(近日点通過)。 太陽までの接近距離はあまり近くありませんが、地球とは約5000万km の距離まで接近するため、 明るくなることが期待されています。

 彗星(すいせい)は「ほうき星」とも呼ばれ、夜空に長く尾を引く姿でよく知られています。 近年では、1996年の百武彗星や1997年のヘールボップ彗星が出現して、大きな話題となりました。
 彗星は、主に氷や塵(ダスト)でできた小さな天体です。 太陽に近づくと、表面が温められて蒸発がはじまり急激に明るくなります。 「彗星のように現れる」という言葉は、このような性質から産まれたものです。 また、彗星を取り巻くイオンやダスト(塵)を含んだ水蒸気は、彗星をぼんやりとした外観を与え、 さらに成長すると太陽からのプラズマの風に流されて長い尾を引くように見えるようになります。

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  ギャラリー:C/2004Q2 マックホルツ彗星


■ 彗星はどこに見える? ■
 以下の図は、彗星の動きを、天球座標で表したものです。 天球座標は、星座の中のどの位置にあるかを見るときに参考にしてください。

マックホルツ彗星の天球座標上の動き(2004年12〜2005年1月)
マックホルツ彗星は、12月初めには6等級まで明るくなっていると予想されます。 そして、12月中旬ころから北上をはじめ、オリオン座の西を北の空へと急ぎ足で移動してゆきます。 そして年末にはおうし座へと進み、夕方から真夜中まで頭上高く、4等級の明るさで見えそうです。
冬の空は澄んでいて、特に年明け初めは月明かりもなくなり、最高の条件で観察ができ、肉眼で見える可能性もあります。 クライマックスは、1月7日から8日にかけて、おうし座にあるプレヤデス星団(すばる)に大接近するときで、 すばらしい光景が見られそうです。双眼鏡を使えば、彗星とプレヤデス星団を同じ視野に見ることができます。


■ 宇宙館での観察 ■
 彗星はぼんやりとした天体ですので、街明かりのあるところでは極端に見えにくくなってしまいます。 最も観察しやすくなる年末年始は、日没後の薄明の終了する頃から一晩中もっとも美しい姿を見ることが出来ます。 なるべく、光害の少ないところに出かけて観察してください。また、明るい月が出ていると淡い彗星は見づらくなります。 月が上限(月齢7)〜満月過ぎ(月齢17)頃までは、月明かりの影響を受けやすくなります。

せんだい宇宙館は休館日(毎週月曜)以外は、毎日21時まで開館(最終入館時刻 20時30分)しています。


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