2010.10.19 小惑星ダナエによる掩蔽の観測成果


 2010年10月19日 04時53分頃 観測された小惑星ダナエ(61 Danae)による 11.8等星(2UCAC 45284754)食の結果です。
この現象において、中島洋一郎さん(岡山県瀬戸内市)において、食による減光が観測されました。 また、渡部勇人さん(三重県いなべ市),赤澤秀彦さん(岡山県倉敷市)では通過(食なし)が観測されました。
さらにこの現象の掩蔽帯延長線上のドイツ4地点でも食による減光が確認され、これらの観測により、推定直径77kmの小惑星に対して 94.2km x 76.5km の小惑星の楕円形状が浮かび上がりました。 月を除く小惑星や衛星による恒星食で、ヨーロッパとの共同観測の成功は、2002年12月16日 の 土星の衛星テティスによる恒星食 以来約8年ぶりとなりました。

ヨーロッパでの観測成果は以下のとおりです
[減光を観測]
Nikolai Wuensche              ドイツ,Biesenthal
Guido Wortmann                ドイツ,ベルリン
Wolfgang Rothe                ドイツ,ベルリン
Peter Enskonatus              ドイツ,ベルリン
Sven Andersson, Martina Haupt ドイツ,ベルリン

[通過を観測]
Alex Pratt                    英国,リーズ

この現象は、掩蔽する側の小惑星(11.6等)が恒星(11.8等)よりも明るく、掩蔽した場合の減光はわずか 0.7等と 見積もられる難しい観測でした。これらの観測のビデオ映像の解析には宮下和久さん(長野県安曇野市)がご尽力くださいました。 ご協力いただきました皆様には、この場をお借りしまして御礼申し上げます。

下図はせんだい宇宙館による整約計算の結果です。日付は世界時で標記しました。

ダナエによる掩蔽
Reduced by Tsutomu Hayamizu. (Update 2010.11.22)

※ 観測結果は星食のメーリングリスト JOIN に公開されたものです


変光曲線の解析データ

以下は、中島洋一郎さんにより撮影されたビデオから得られた、食の瞬間の変更曲線です。

Observed by Youitirou Nakasima (Setouchi Okayama, Japan)
Analyzed by Tsutomu Hayamizu
データ提供:中島洋一郎さま(岡山県瀬戸内市)


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