■ 天文学会予稿 ■(2003.03.24)以下の図は観測者からの報告に基づき整約計算した結果です。 テティスの実直径は1060kmとされており、それによくフィットする円弧が得られました。 この結果から、テティスの影は東日本を中心に通過したことが判明しました。
この現象の研究成果は、日本天文学会2003春季年会(於:東北大学)にて発表されました。
今回の観測から、衛星の運動を記述する力学的座標系と恒星の基準座標系(ICRF)とを結合するための、貴重なデータが得られています。
Reduced by Tsutomu Hayamizu. (Update 2004.1.28)
この現象を観測された方々は、以下の通り。国内初の快挙、誠におめでとうございます。
上の図において、橋本さん,北崎さん,片山さんの3者はほぼ同じ系路上にあります。
またスペインの、Casasさん,Pallaresさん,Schnabelさん らの経路もほぼ同じ経路で重なっております。
なお、橋本秋恵さんの破線部分は、雲に遮られたため減光時刻を特定できないことを示します。
日本国内(敬称略,順不同) 柏倉 満 山形県大江町 VTR 18h56m54.71sより 0.06secかけて減光 18h57m34.79sより 0.06secかけて復光 浜野和天文台 福島県郡山市 VTR 18h56m52.190s 減光/18h57m31.323s 復光 八重座 明 茨城県日立市 眼視 18h56m51.8s 減光/18h57m28.1s 復光 高島英雄 千葉県柏市 VTR 18h56m50.65s 減光/18h57m23.61s 復光 橋本秋恵 埼玉県秩父市 眼視 減光時刻は雲のため不明 18h57m27.79s に復光 北崎勝彦 東京都武蔵野市 VTR 18h56m51.59sより 0.03secかけて減光 18h57m24.63s 復光 片山栄作 東京都三鷹市 VTR 18h56m52s 減光/18h57m25s 復光 内山雅之 三重県尾鷲市 VTR 通過(食現象起らず) ヨーロッパ Wojciech BURZYNSKI ポーランド 眼視 19h01m41.0s 減光/19h02m22.6s 復光 Vitali S. Nevski ベラルーシ 眼視 19h01m25.41s減光/19h02m05.82s復光 Pic du Midi天文台 フランス 眼視 通過(食現象起らず) Rui Goncalves ポルトガル 眼視 通過(食現象起らず) Oscar Canales Moreno スペイン 眼視 通過(食現象起らず) Ricard Casas スペイン 眼視 通過(食現象起らず) Hilari Pallares Albalat スペイン 眼視 通過(食現象起らず) Carles Schnabel スペイン 眼視 通過(食現象起らず) F.Izquierdo スペイン 眼視 通過(食現象起らず) ※ 以上の時刻はすべて世界時(UT)です。日本時間への変換は、UTに9時間を加算して下さい。
柏倉満さん提供
食の瞬間の 1/30秒毎の連続画像です。口径30cmシュミットカセグレン望遠鏡にCCDモジュール(WATEC 902H)を組み合わせました。
減光の瞬間 | 増光の瞬間 |
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浜野和天文台 浜野和弘巳さん提供
食の瞬間の 1/30秒毎の連続画像です。口径40cmニュートン反射望遠鏡にCCDモジュール(WATEC WAT-100N)を組み合わせました。
減光の瞬間 | 増光の瞬間 |
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相馬充氏(国立天文台)による日本付近の掩蔽帯予報図 (GIF:36kB)
IOTA による全地球的な掩蔽帯予報図 (GIF:14kB)
IOTA による土星周辺の衛星配置図 (GIF: 7kB)
(注)以上の予報はすべてUT(世界時)で記載してあります。JST(日本標準時)への変換は、UTに9時間を加算して下さい。