2004年5月〜 C/2002T7 リニア彗星(3)

リンカーン研究所(米)が2002年10月14日に発見した新彗星(C/2002T7 Linear)です。 彗星は太陽に近づくと、表面が温められて蒸発がはじまり急激に明るくなります。 「彗星のように現れる」という言葉は、このような性質から産まれたものです。 また、彗星を取り巻くイオンやダスト(塵)を含んだ水蒸気は、彗星をぼんやりとした外観を与え、 さらに成長すると太陽からのプラズマの風に流されて長い尾を引くように見えるようになります。
2004年5月には地球に接近して、肉眼級の大彗星に成長する期待がもたれていました。 観測条件の良かった南半球や空の暗いところでは、なんとか肉眼でも確認できたようですが、 予測ほどは成長していません。
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彗星ギャラリー
2003年〜2004年2月 C/2002T7 リニア彗星(1)
2004年4月〜 C/2002T7 リニア彗星(2)
2004年5月〜 C/2002T7 リニア彗星(3)


C/2000T7 リニア彗星
6月4日 リニア彗星(C/2002T7)

森永成一さんのコメントより
リニア彗星は2月10日以来, ニート彗星は5月6日以来の撮影となりました。
カメラを車内に置いていた影響で熱を持っており, ノイズがひどい画像になりました。 こうゆうときはダーク補正をしたらよくなるのかな?と思うことでした。 また, 感度は今までの撮影とおなじ800だったのですが下げるべきだと思いました。 冷却CCDがうらやましいです。
7×42の双眼鏡でみた感じとしては リニア彗星は存在がわかる程度で, ニート彗星は小さくはなったものの比較的ハッキリと存在を確認できました。 尾についてはどちらの彗星もほどんど確認できませんでしたが, ニート彗星については解像度のよくない写真上で僅かに確認できました。
快晴でしたが, 透明度はよくなかった影響もあるとおもいます。 9時ちょうどには満月過ぎの月が昇ってきました。

撮影データ
2004年6月5日21時01分 露出60秒
ペンタックス*istD タムロン300mmF2.8開放
撮影地 吹上町
撮影者:森永成一(鹿児島天文協会)


C/2002T7 リニア彗星
5月19日 オーストラリアからのリニア彗星(C/2002T7)−2

川野伴睦さんのコメントより
オーストラリアならではでこんなに地平線に近いのにしっかり写ってますね。 正確には地平線ではなくちょっとした小高い地形でした。

撮影日時:5/19 19:40:28〜88秒露出
撮影機材:Zuiko250mmF2開放+Eoss Kiss D
撮影地:西オーストラリア ワディファーム
撮影者:川野伴睦(福岡県福岡市)


C/2002T7 リニア彗星
5月19日 オーストラリアからのリニア彗星(C/2002T7)

予測ほど成長していないとされるこの彗星ですが、観測条件のよかった南半球では、ご覧の通り長く尾を引く 勇壮な姿が観察できました。5月下旬からは、国内でも観察できるようになります。

川野伴睦さんのコメントより
18日からオーストラリアに行って来ました。 天候が悪く晴れ間を求めて2,000kmの旅になりました。 簡単な処理しかしておらずまだ大した写真では無いのですが 速報としてお送りします。
核の左側に大きく広がったダストテールがうっすら写っています。

撮影日時:5/19 20:12:32〜127秒露出
撮影機材:Zuiko250mmF2開放+Eoss Kiss D
撮影地:西オーストラリア ワディファーム
撮影者:川野伴睦(福岡県福岡市)