2008.1.3 小惑星アンティオペとその衛星による恒星食の観測成果


この観測成果は、国際天文連合小惑星センターの発行するニュース(CBET)でも配信されました。(2008.2.17)
CBET No.1263: OCCULTATIONS BY (90) ANTIOPE AND BY S/2000 (90) 1 (2008 Feb 17)
 2008年1月3日 02時41分ごろ、関東地方から東海地方の広域で、小惑星アンティオペ(90 Antiope)と その衛星(S/2000 (90) 1) による食が観測されました。

 この現象は、系全体として IOTA(The International Occultation Timing Association) により、小惑星と衛星の相対的位置としてIMCCE J.Berthier 博士(仏)により、 予報が公表されていました。現象の4日前には IOTA Europe のJ.Lecacheux氏(仏)によりこれらの予報を相補的に組み合わせた予報が提供されました。
そしてこれらのほぼ予報に従って、小惑星(90)Antiope と衛星 に よる食が関東地方から東海地方の広域で観測されました。
・ (90)Antiope 本体による食の観測成功 -- 1地点
・ 衛星 による食の観測成功 ----------- 6地点
・ 通過(食なし)を観測 --------------- 17地点

掩蔽以外の方法で見つかっていた小惑星の衛星による掩蔽の観測成功は、 2006年11月8日小惑星カリオペと衛星リヌスによる恒星食に続く、史上2例目の貴重な成果となりました。

相馬充氏(国立天文台)による解析の結果は、
・ 衛星のサイズ : 90 x 82km 長軸の位置角 0°
・ 主星に対する衛星の位置:離角 0.0664" 位置角 319.8°
です。小惑星の主星は、得られた観測が一地点のため、詳しい断面は解析できません。

ご協力いただきました皆様には、この場をお借りしまして御礼申し上げます。
 下図はせんだい宇宙館による整約計算の結果です。

アンティオペによる掩蔽
Reduced by Tsutomu Hayamizu & Mitsuru Soma(NAOJ). (Update 2008.1.17)

図中の観測者のお名前において、
*「浜野和Obs」は、浜野和天文台における 浜野和弘巳,博子ご夫妻、細井克昌さまの共同観測
*「高島&大場」は、高島英雄さま、大場富士夫さま、の共同観測
*「電気通信大学」は、電気通信大学(東京都調布市) における、柳澤正久さま、下川有希さま、横山洋平の共同観測
*「大川&田鍋」は、大川拓也さま、田鍋 努さまの共同観測
*「大北&山西」は、大北佳秀さま、山西郁也さまの共同観測
です。また、浜野和天文台,影山和久さまと早水勉の観測は、遠方のために図中に収まっていません。

※ 観測結果は星食のメーリングリスト JOIN に公開されたものです


■ 小惑星(90)Antiope の掩蔽帯 ■
下図は、小惑星(90)Antiopeの掩蔽帯予報経路(IOTA)と、実際の観測者の配置図です。 黄色が食による減光を観測した地点,茶色が通過を観測した地点です。

Produced by J.Lecacheux(IOTA Europe)


IMCCE(パリ天文台) と Dave.Herald氏(IOTA)による解析結果
IMCCE J.Berthier 博士(仏) のご厚意で提供くださいました、今回の現象の解析結果をご紹介します。
掩蔽観測から得られた整約計算は Dave.Herald氏(IOTA)によるもので、これに IMCCE(パリ天文台) を中心とする グループにより求められていた小惑星系のモデルを重ねたものです。


Reduced by Dave.Herald (IOTA).
Aspect model by: Descamps P., Marchis F., Michalowski T., Vachier F., Colas F., Berthier J., Assafin M., Dunckel P.B., Polinska M., Pych W., Hestroffer D., Miller K.P.M., Vieira-Martins R., Birlan M., Teng-Chuen-Yu J.-P., Peyrot A., Payet, B., Dorseuil J., Leonie Y., Dijoux T., Figure of the double Asteroid 90 Antiope
from adaptive optics and lightcurve observations, Icarus 187, p. 482-499, 2007


瀬戸口貴司氏(東亜天文学会)による解析結果
今回の現象における、瀬戸口貴司氏による解析の結果をご紹介します。
 小惑星(90)Antiope の衛星の断面: 91.8 km(+/-4.4 km) x 83.3 km(+/-0.7 km),長軸の位置角 10.3°+/-8.6°の楕円
と計算されています。下の経路図は、衛星によるもので、その幅は 91.6km です。瀬戸口氏のご厚意により掲載いたしております。


Reduced by Takashi Setoguchi(OAA). (Update:2008.1.13)


Reduced by Takashi Setoguchi(OAA). (Update:2008.1.13)


井田三良氏(東亜天文学会)による観測結果
今回の現象における、井田三良氏による解析の結果をご紹介します。 井田氏の観測は、通過(食なし)ながら大北&山西氏,石田氏とともに、小惑星主星の南限を決める重要な観測ポイントとなりました。
井田氏のご厚意により掲載いたしております。


Observed by Miyosi Ida(OAA).


■ 関連のリンク ■
宮下和久氏(JOIN: Limovie の作者)によるビデオデータの解析 (掲載:2008.2.5)
アストロアーツニュース 「1月3日未明、小惑星Antinopeとその衛星による恒星食に注目」


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