超新星とは、太陽よりも8倍以上重い恒星が一生を終える時に、星全体が大爆発する現象です。たいへん稀な現象のため、遠方の銀河で発生した超新星が発見されるものが殆どです。
鈴木章司さん(千葉県大網白里町)は、2006年2月5日未明に口径32cmリッチークレチアン望遠鏡で冷却CCDにより撮影した、かみのけ座の M100銀河の中に超新星らしき天体を見出し国立天文台に報告しました。
そして、2月7日に国際天文連合により正式に超新星SN2006X として認定されました。
佐野康男さん(名寄市木原天文台/北海道:超新星捜索家)によると、鈴木さんの発見は、日本人としては国内16人目(通産62個目)、
2006年初めての超新星の発見ということです。
また、織部隆明さん(さじ天文台/鳥取県)によると、このM100銀河では、1901年以降今回まで5回も超新星が出現しているということです。
通報を受けた国立天文台は天候不良のため、早水勉(せんだい宇宙館)を通じて確認観測を呼びかけました。その中で、
2月8日未明に上野裕司さん(鹿児島県与論町)により、発見直後の貴重な確認画像が撮影されました。
その後撮影された画像と併せてここに掲載いたします。
(更新:2006.2.9)
隈元俊一さんのコメントより
なんとか撮って戻ってきました。確かに発見時と比べて増光してるようです。
こっちは晴れたんですが強風と雲の通過で,20枚以上撮って,5枚ぐらいしかいい
のがとれませんでした。
2006年 2月8日 23:53〜
ビクセンNVC200L+ケンコークローズアップレンズ
冷却CCD BJ41L ノーフィルター
3分×5枚 ビニングなし
撮影者:隈元俊一(宮崎県都城市/鹿児島県天体写真協会)
2006.2.8 発見翌々日の M100銀河の超新星
上野裕司さん(確認画像撮影者)のコメントより
どうにか確認できる画像が撮れたので添付します。
強風のためガイドが出来ず星像が流れてしまいましたがなんとか確認できます。
この画像を見る限り、発見時に比べ明るくなっているようです。
超新星を見やすくするためにコンポジットやレベル補正をしています。
もし光度測定等に必要で有れば元のデータを送りますのでその旨ご連絡下さい。
ただ、強風で星像が流れてしまっているのと、カメラがABG仕様のため
役に立たないかもしれません。
晴れれば、また明晩撮影してみたいと思います。
2006年 2月8日 00h43m17s〜59m31s
00h43m17s, 00h53m23s, 00h56m27s, 00h59m31s
露出 各3分×4 加算平均コンポジット レベル補正のみ
25cmF4反射望遠鏡+BJ-41L冷却CCDカメラIDASTYPEWクリアフィルター(赤外透過)
露出3分×4 加算平均コンポジット レベル補正のみ
撮影地:鹿児島県与論町
撮影者:上野裕司