せんだい宇宙館の特徴のひとつは、観測室にスライディングルーフを採用していることです。 今回発生した問題は、そのスライディングルーフが被害を受けたものです。
写真−上
スライディングルーフの開口部を内側から見たものです。ちょっと目には、被害などないように見えます。
写真−下
ところが、よく見てみると、スライドの継ぎ目がシャッターを巻き込んだまま、なんと約20cmもずれています。
これは強風を受けて、開くはずのないルーフが強引に引きずられた結果でした。
さらに、復旧作業を進めるにつれ、スラーディングルーフ全体も、最大で5cmほど変形していることが分かり、
このため、かなり強力な手段で牽引しても、ルーフを動かすことはできませんでした。
復旧作業は、このルーフの歪みを矯正することから始めなければならず、たいへん神経質な作業を強いられました。
スライドする機構を持つ、たいへん特別な構造の屋根のため、歪みは僅か数ミリ以内に収める必要があるためです。
最も時間を要したのは、破損したシャッターの再製作でした。
市販品ではなく、板圧やサイズを特別に丈夫にした仕様であったためですが、10月9日の午前中に入荷し、
これにより完全に復旧されました。翌、10日からは平常通りの開館となっております。