2005年の秋(10月〜11月) 2年ぶりに火星が接近します。
火星は地球のすぐ外側をまわる惑星で、直径が地球の約1/2ほどの小さな惑星です。 太陽のまわりをやや"だ円"にまわっているため、2年2ヶ月ごとに起きる地球と火星との会合時の距離が変化します。 2年前の接近は大接近となりましたが、2005年もそれに準ずる好条件の接近がみられます。
火星の観察にたいへん良いチャンスですので、当館の大望遠鏡で是非観察して下さい。
近年の火星の接近 | |||
年月日 | 明るさ | 見かけの直径 | 備 考 |
1999.05.01 | -1.6等 | 16.2 秒角 | |
2001.06.22 | -2.3等 | 20.8 秒角 | 準大接近 |
2003.08.27 | -2.9等 | 25.1 秒角 | 大接近 |
2005.10.30 | -2.3等 | 20.2 秒角 | 準大接近 |
2007.12.19 | -1.6等 | 15.9 秒角 | |
2010.01.28 | -1.3等 | 14.1 秒角 | |
2012.03.06 | -1.2等 | 13.9 秒角 | 小接近 |
■ 観察の方法と時期 ■■ 火星の観察のポイント ■
最接近の頃の火星は、見かけの直径が20秒角で月の90分の1程度です。これは、200m先の1円玉の大きさに相当します。 このため、接近の頃でも火星の観察には望遠鏡が必須となります。当然ですが、大きな望遠鏡ほど細かい模様が見やすくなります。
また、接近の極大日は10月30日ですが、急に遠ざかるわけではなく、前後1ヶ月くらいは 家庭用の望遠鏡でも表面の模様が認められるようになりますので、じっくりと観察しましょう。
最接近の頃からは火星は日没後の夕空に見やすくなります。宇宙館での観察時間も長く取れるようになります。
以下のグラフは、鹿児島における時刻です。
せんだい宇宙館は休館日(毎週月曜)以外は、毎日21時まで開館していますので、天候が悪くない限り50cm大望遠鏡での 観察が出来ます。また、この期間には火星の観察会を予定しています。
大きさの変化を楽しもう
火星は地球からの距離が大きく変化するために、見かけの大きさもそれに反比例して変化します。
望遠鏡で観察する際に、その大きさの変化を楽しんでみて下さい。
出来れば、デジカメなどで望遠鏡の接眼部から火星を撮影してみましょう。
火星の模様を観察しよう
望遠鏡をとおして見る火星は、有名な大シュルティスなどいろいろな地表面の姿を観察できます。
時には雲や朝霧などが発生することもあります。
そして、しばしば「黄雲」と呼ばれる大規模な砂嵐が発生することもあります。
黄雲が発生すると表面の様子をうかがいしることが困難になってきますが、
今回の接近でも発生するかが注目されています。
この秋は、火星では盛夏の頃で、南極の極冠(ドライアイス)はほとんど消滅している時期になります。