流れ星は、宇宙を漂うごく小さな粒子が地球の大気との摩擦で燃焼して光る現象です。
流星のほとんどは高度80〜120km の大気圏で発光して蒸発してしまいます。
右の図より意外と地表に近いところで起こる現象ということが分るでしょう。
粒の大きいものは、燃えつきないで地上に落下することもありますがこれが「いん石」です。
■しし座流星群って何?■
目で見える流星は、1時間に数個程度は流れていますが、地球が粒子の多いところを通過すると、
多くの流星を見ることができます。これを「流星群」といいます。
地球の軌道上で粒子の多いところは決まっていますので、多くの流星群は毎年同じ時期に見ることが出来ます。
流星群の元となる粒子の起源は、地球に近づくほうき星(彗星)が撒き散らしたものであることが分っています。
この彗星のことを「流星群の"母彗星"」といいます。
流星群は、複数の流星が空のある1点を中心として四方八方に散らばるように飛び出す特徴があります。
この点のことを「放射点」といいます。「しし座流星群」の場合、この放射点が「しし座」にあるので
この呼び名があります。しし座流星群の母彗星は、33年の周期で公転する「テンペル−タットル彗星」です。
しし座流星群は11月18日前後に活動する流星群です。
しし座流星群は、宇宙空間に漂う粒子の密度の濃淡の差が極めて大きく、
普段の年はほとんど出現しないのですが、まれに大出現することがあります。
また、大出現する時でも、1時間内外の短い時間に集中することが特徴です。
1998年 松下優氏提供 | 1999年のしし座流星群 |
流星群の予測はたいへん難しく、現代の科学でも正確な予報は困難とされています。
1998年には日本で大出現が予測され、日本中が大騒ぎとなったことはご記憶の方も多いことでしょう。
残念ながら、この年には大規模な出現は日本ではありませんでしたが、ヨーロッパで比較的集中した
出現が観測されました。さらに翌年の1999年11月18日には、同じくヨーロッパを中心として1時間当たり
5000ケ以上といういわゆる「大流星雨」となり、その翌19日の未明にも1時間当たり
100ケ近い極めて活発な活動が日本でも観測されました。
これまでの歴史的な経験に従うと、2001年では出現数の減る時期とみられます。
しかしながら、イギリスの天文学者アッシャー博士らは、彼らの理論により2001年には
日本を中心とする東アジア地域で1時間当たり数万個もの流星出現の可能性があると発表しており、
今年のしし座流星群も俄然注目が集まっています。
この予報がどの程度信頼できるかは、今のところ賛否両論あるのが実情で、「観測してみないと
分らない」というところが、一般的な見方と言えるでしょう。
これらの予測を整理しますと以下の通りです。■しし座流星群の観測の仕方■■ 経験的な予測
11月18日の明け方に、1時間当たり数個〜数十個程度の出現
■ アッシャー博士らの予測
11月19日の未明に、1時間当たり最大数千〜数万個の出現詳しくは、国立天文台ニュース−「2001年のしし座流星群」を参照下さい。
流星の観測には特別な道具は必要ありません。なるべく空のきれいなところに行き、
楽な姿勢で、空を眺めて下さい。放射点が地平線上に昇る、午前0時頃から明け方までが観測のチャンスです。
流れ星の現れる方向は特別にありませんが、東の方向から流れるように観察されるはずです。
■ しし座流星群の観察会
11/17夜〜18早朝:スターウオッチングin寺山(川内市立少年自然の家,せんだい宇宙館)
11/17夜〜18早朝:しし座流星群観察会(出水市青年の家)