ご注意! 電波時計の使用は禁物です !!正確な地図
1999年6月より郵政省より長波JJYが運用されました。これに伴い、「10万年に1秒しか狂わない」とのキャッチフレーズで 各社より電波時計が発売されています。しかし、この電波時計を星食観測に使用することは禁物です。 実測によると、0.1〜0.3秒の遅れがあるのです。つまり、電波時計は、1秒以内の狂いを保持しつづけるものですので、 観測には他の報時手段が得られない場合にのみ使用してください。
代表的な時刻保持法の比較 時刻精度(対UTC) 携帯性 安定性 備 考 NTT
電話時報固定電話 約0.03秒 × ○ 連続10分のみ利用可能 携帯,PHS 約0.2秒前後 ○ × 遅れが大きく高精度の時刻保持には不向き 短波JJY
(5,8,10 MHz)〜10ミリ秒(伝播遅延) ○ △ 2001.3.31 廃止 長波JJY(40kHz) 〜10ミリ秒(伝播遅延) 1996.6.10 より運用開始
現状では精度のよい安価な受信機がない電波時計 0.1〜0.5秒 ○ × 遅れが大きく高精度の時刻保持には不向き GHS時計 500ナノ秒以内 ○ ○ GPSを時刻保持に応用した装置
GPSの測位の信頼性■セッティング■
GPSによる経緯度の測位は、かつては100mを越える誤差があることも珍しくありませんでしたが、 米国政府によるS/Aの解除(2000年5月)以降極めて正確になっていることが確認されています。 実測によると、GPS受信機ジュピターによる経緯度の測位精度は、受信状態の良い時でわずか10m程度の誤差で、 星食,接食のビデオ観測に要求される精度を満たしています。
しかし、誤差の程度の不明な受信機を使用される場合には、やはり地形図を使用してください。 また、GPS受信機の測地系が不明な場合も使用するべきでありません。
なお、標高のデータについては、S/A解除後でも、数十mの誤差のありえることが分かっております。 標高だけは、GPSの数値を扱うことを避けて、面倒でも地形図から読み取ってください。