2014.3.2 太陽系外縁天体の衛星による恒星食で歴史的な観測成功

3月2日 未明 オルクスの衛星ヴァンスによる12等星の食


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世界で初めて太陽系外縁天体の衛星による恒星食が捉えられた
 冥王星付近からさらに遠い太陽系の外縁には、近年の観測技術の発達により多数の小天体が発見されるようになって来ました。 これらは「太陽系外縁天体」と呼ばれています。
 Dave Gault氏(豪:IOTA),Felipe Braga Ribas博士(ブラジル国立天文台)らにより、3月2日未明(日本時間) 太陽系外縁天体オルクス(90482 Orcus) とその衛星ヴァンス(Vanth) により ろくぶんぎ座の恒星(TYC 5476-00882-1 12.1等)を食する恒星食の予報が発表されました。 このうち衛星ヴァンスによる掩蔽帯は日本付近に当たっていました。
残念ながら日本の多くの地域は天候不良でしたが、好天に恵まれた なよろ市立天文台 において同天文台と北海道大学の観測チーム (リーダー:村上恭彦さん)は、01時18分頃、約3秒の食による減光の観測に成功しました。
太陽系外縁天体による恒星食は、国内では1年前(2013年1月9日)に ヴァルナ(20000 Varna) による恒星食が初めて観測に成功しましたが、 太陽系外縁天体の衛星による恒星食観測が成功したことは、世界的にも歴史上今回が初めてです(※)。 一方、主星オルクスによる掩蔽の観測は、オーストラリア,ニュージーランド 等で試みられましたが、いずれも通過(食なし)でした。
※:冥王星の衛星カロンをのぞく
■ (90482-1)Vanth による恒星食の観測結果 ■

以下は、現時点での暫定的な整約図です。 図中にある 直径280km の円は ヴァンス(Vanth) の推定直径です。観測された食は、緩やかな減光と増光が得られており、 「○:減光の始まりと増光の終了」「●:完全な減光の期間」として作図しています。観測の結果からは、推定されていた直径に対して 非常に短い 67.0km の弦が求められています。

TNO天体(90482)Orcus の衛星Vanth による恒星食の暫定的な整約図
Reduced by Tsutomu Hayamizu (Update 2014.3.28)

* 上の整約図の日時は世界時です
* 観測者/リーダー:村上恭彦,渡辺文健,中島克仁,佐野康男(以上 名寄市職員)
  渡辺誠,今井正尭,中尾光(以上 北海道大学)

※ 観測結果は星食のメーリングリスト JOIN に公開されたものです


■ (90482-1)Vanth による恒星食の解析 ■

なよろ市立天文台,北海道大学の観測成果
なよろ市立天文台,北海道大学により観測された減光復光のライトカーブです。

Obserbved by Nayoro Observatory, Faculty of Science, Hokkaido University


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