全国的に、たいへん条件のよい皆既月食がみられました。今回の月食の特徴は、皆既の継続時間が1時間47分と極めて長いことでした。 これは、月が地球の影のほぼ中心部を通過し、影の中にいる時間が長かったためです。月食は、太陽、地球、月が一直線状に並び、地球の影の中に月が進入する現象です。 地球の影に入るにつれて、月は徐々に暗くなりますが、真っ黒にはならず赤味を帯びた色に染まります。 これは、地球に大気があるためです。太陽の光は地球の大気を通過する際に散乱されにくい赤い色だけが残ります。 さらに、大気の屈折により赤い光は影の内側にまで曲げられて、月をほんのり赤く照らすのです。
撮影日時:2000年7月16日
[左上]21時18分 [中上]21時38分 [右上]21時58分
[左中]22時18分 [中央]22時58分 [右中]23時38分
[左下]23時58分 [中下]24時18分 [右下]24時38分
レンズ :800mm F8
フィルム:エクタクローム E100S
せんだい宇宙館 早水勉 撮影
次の皆既月食は2001年1月10日
皆既時間が1時間47分とたいへん長かった今回の月食ですが、半年後の2001年1月10日にはまたまた全国的に皆既月食を見られます。 次回は明け方の現象となりますが、西の低い空が舞台となるため、写真を撮られる方には風景を一緒に収めやすい絶好のものとなりそうです。
2001年1月10日の月食の概要 食のはじめ 皆既 食の終了 日の出 3h40m頃 4h50m〜5h50m頃 7h00m頃 7h17m