1月26日 4時の土星の位置(於:鹿児島) ※ステラナビゲータVer.7 により作図 |
この掩蔽では土星の本体による現象以上に、土星を取り囲む環を通過する様子
に興味を惹かれます。
注目はA環への潜入とA環とB環の境界にあるカッシニの空隙の通過です。ビデオ観測の場
合、なるべく土星を拡大してリングの輝度を落とすことがポイントです。恒星は衛星ティタ
ン(8.1等)とほぼ同じ明るさですから、ティタンを感度調整の目安にするとよいでしょう。低倍率
では近傍のプレセペ星団とあいまって、美しい情景を楽しむことが出来ることでしょう。
さらに、土星から離れた場所にあるかもしれないとされる環による掩蔽にも注意していただきた
いと思います。かつて、惑星探査機 Pioneer 11号, Voyagers 1,2号 の観測で、
土星の赤道面内で土星の磁気圏内にある,土星半径の14倍と19倍のところに微粒子の環が
あるらしいとの指摘がなされているからです。その後、同様の恒星食による解析等から、
その場所は半径の12.5倍のところとなったらしく,1989年の掩蔽では12.5倍から19倍の
場所で掩蔽が起こるかどうか確かめようという呼びかけがなされています。
今回の掩蔽でもこの付近で掩蔽が起こらないか注視するとよいでしょう。
土星の赤道面内で土星半径の12.5倍と19倍の場所を破線で示し,衛星と恒星との位置関係を示す予報を掲載しますので
観測の参考にしてください。図は、東京で見た場合ですが,日本国内ではほとんど同じと考えて差し支えありません。
※ 予報と観測方法の詳細については、「月刊星ナビ(アストロアーツ)2月号」に掲載されています。
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予報時刻は日本の場所による差と恒星と土星の位置の誤差により5分程度の誤差を見込む。 A環潜入 3h38m A環出現 3h52m B環潜入 3h54m 土星潜入 4h54m 土星出現 5h45m 各地の日出等の時刻は次の通り。 薄明始 日出 土星没 札幌 5h17m 6h56m 7h16m 仙台 5 15 6 47 7 05 東京 5 18 6 46 7 04 京都 5 33 7 00 7 18 福岡 5 53 7 19 7 36 那覇 5 57 7 16 7 33
予報提供:相馬充(国立天文台)