2005.12.15 小惑星ヒパティアによる掩蔽の観測成果


 2005.12.15 06時03分頃 観測された小惑星ヒパティア(238 Hypatia)による恒星食の結果です。
この現象は、IOTA(The International Occultation Timing Association) により予報されていたもので、福島県郡山市の浜野和天文台により食による減光が観測されました。 掩蔽された恒星は、おとめ座とコップ座の境界付近にある 12.0等星(2UCAC 30199986)です。
この現象は明け方の薄明中の非常に厳しい条件の中でのものでしたが、冷却CCDの流し撮りという 手法で見事に観測を成功に導かれました。

下図はせんだい宇宙館による整約計算の結果です。浜野和さんの観測からは、推定直径 148kmの小惑星に対して 137.5km の小惑星の弦が求められました。また、この小惑星による恒星食は、2004年12月にもせんだい宇宙館にて 観測されており、その際には 145.9kmの弦長が得られています。

ヒパティアによる掩蔽
Reduced by Tsutomu Hayamizu. (Update 2005.12.17)

※ 観測結果は星食のメーリングリスト JOIN に公開されたものです


食の観測された冷却CCD画像より
以下は、食の観測された、浜野和弘巳様(福島県郡山市)の冷却CCDの画像と、解析結果のグラフです。 画像は日周運動の光跡です。中央の恒星(2UCAC 30199986 12.0等)の線は途中で途切れており、ここで小惑星が恒星を隠したことが分かります。 露出の開始と終了の時刻を正確に管理することで、現象の時刻を割り出しました。

浜野和弘巳さん提供(福島県郡山市)
1.撮像日時: 2005年12月05日 
        06時03分01.0秒〜06時03分31.0秒(30秒積分)
2.観測機材: Pellow D=400mm fl=1800mm Newtonian
        SBIG ST-8冷却CCDカメラ
3.撮像条件: 冷却温度:‐10.2℃,ビニング: 3x3ビニング
4.画像補正: ダークフレーム: 8フレームをメディアン処理
        フラットフィールド: 8フレームをメディアン処理
5.解 析: ステライメージVer,5によるピクセルData計測

Recorde by Hiromi Hamanowa.(Hamanowa-obs, Koriyama, Fukushima, Japan)


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