2005.06.06 小惑星エルピスによる掩蔽の観測成果


 2005.06.06 21時24分頃 観測された小惑星エルピス(59 Elpis)による恒星食の結果です。
この現象は、IOTA(The International Occultation Timing Association)により改良されていた予報です。 掩蔽された恒星は、かに座にある7.4等星(HIP 44831)です。 減光の観測に成功されたのは、辻塚隆さん(福岡県飯塚市)と 中国北京市の北京プラネタリウムおよび清華大学の3地点で、 また7地点では通過(食なし)が観測されました。中国北京市では、日没後間もない薄明の強い時間帯での観測の成功です。 観測条件のよかった西日本では、ほぼ全域で薄い雲に覆われてしまい、困難な中での観測となりました。
以上のほかにも天候不良などで観測できずの報告も多数頂いております。 ご協力いただきました皆様には、この場をお借りしまして御礼申し上げます。

下図はせんだい宇宙館による暫定的な整約計算の結果です。推定165kmの小惑星に対して、85km 〜130km の小惑星の弦が求められました。 これらの結果から掩蔽はほぼ予報どおりに起こっていることがわかります。

エルピスによる掩蔽
Reduced by Tsutomu Hayamizu. (Update 2005.6.11)

* 図中の「辰巳-安田」は、星の子館(兵庫県姫路市)における辰巳直人さんと安田岳志さんの共同観測です。
*「清華大学」は、J.Zhuさん, Y.W.Maさん, F.Y.Bianさん, Y.Wuさん, L.Zhangさんらの共同観測です。
*「北京プラネ」は、北京プラネタリウムでの W.Kouさん, X.Zhanさん, L.N.Zhangさんらの共同観測です。
※ 観測結果は星食のメーリングリスト JOIN に公開されたものです


食の観測されたビデオ映像より
以下は、食の観測された、辻塚隆様(福岡県飯塚市)のビデオ映像から作成した、食の瞬間の1/30秒毎 連続画像です。 この映像から、潜入に0.13秒程,出現に0.07秒程を要していることが分かります。これは、隠された恒星(HIP 44831) がK5型の赤色巨星であるためであると推測されます。

辻塚隆さん提供(福岡県飯塚市)
減光の瞬間
(Dis-appearance)
増光の瞬間
(Re-appearance)

Recorde by Takashi Tsujituka.(Iizuka Fukuoka, Japan)


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