2004.11.25 小惑星アニーによる掩蔽の観測成果


 2004.11.25 03時21分頃 観測された小惑星アニー(791 Ani)による恒星食の結果です。
この現象は、IOTA(The International Occultation Timing Association) により改良されていた予報です。 掩蔽された恒星は、いっかくじゅう座にある11.2等星(TYC 0752-01346-1)で、 ほぼ予報どおりに茨城県内3地点の観測者(冨岡啓行さん、八重座明さん、内山茂男さん)により減光が観測されました。 内山さんは千葉県から遠征しての観測です。また、以上のほか3地点では通過(食なし)が報告されました。
特に、八重座明さんは2回の減光を観測しており、IOTAの専門家らによると未知の衛星の存在を示唆する 可能性があるとの指摘がなされています。

下図はせんだい宇宙館による整約計算の結果です。推定104kmの小惑星に対して、52.9〜80.0kmの小惑星の弦が求められました。 八重座さんによる2回目の減光から得られた弦は 36.5kmです。

アニーによる掩蔽
Reduced by Tsutomu Hayamizu. (Update 2004.12.02)

* 図中の「高島、大場」は、高島英雄さんと大場富士夫さんの共同観測です。

※ 観測結果は星食のメーリングリスト JOIN に公開されたものです


David Herald氏(豪)によるとこの小惑星(791 Ani)は、2000年4月7日に9地点の観測者により掩蔽が観測されており、 この際にも 103.5km × 65.7km の長楕円の断面が得られています。 そして今回の観測により小惑星の本体には、109.5km × 67.4km の楕円が当てはめられました。 また、瀬戸口貴司氏(東亜天文学会)は、144.0km × 74.0km を得ています。以上より、この小惑星がかなり長形であることが 裏付けられました。

アニーの楕円フィット


星食のページへ戻る
星食のページへ戻る