2002年8月3日 SEEK2ロケットによるTMA発光雲
文部科学省宇宙科学研究所の鹿児島宇宙空間観測所(内之浦町)より、2機の SEEK2 ロケットが15分の間隔をおいて相次いで打ち上げられました。 これは、地上高度 100km付近の電離層の振る舞いを観測するために行われた実験で、 1996年に実施の SEEK1 に続くものです。
この実験では、高度 100km の上空に、TMAという発光雲をロケットから出 して高層の風を測るので、この薄く輝く雲が遠方からも観察されます。 種子島在住の佐伯和久さんと鹿児島市内の松下優さんは、うす雲を通して桜島の上空 に流れる、このTMA発光雲の撮影に成功しました。


SEEK2ロケットによるTMA発光雲

SEEK2ロケットによるTMA発光雲

佐伯さんのコメントより
前後数日間はきれいに晴れていたのですが、この日は薄雲が出ていました。 薄雲があって、明瞭に捕らえられなくて残念です。

2002.8.3 23h35m〜
レンズ 50mm 固定撮影
フィルム:ISO1600
撮影地:鹿児島県南種子町(種子島)
撮影者:佐伯和久(鹿児島天体写真協会)


SEEK2ロケットの打ち上げ

SEEK2ロケットによるTMA発光雲

SEEK2ロケットによるTMA発光雲

SEEK2ロケットによるTMA発光雲(拡大)

松下さんのコメントより
SEEK2 のホームページで「これから打ち上げ」の報告を見て、大急ぎでカメラを担いで 家を飛び出し、近くの公園にセッティングして数分後、桜島の南をオレンジ色の 閃光が上がっていくのが見えました。(一番上の写真)
その数分後に周りの薄雲とはちょっと違う(ほんとか?)雲を発見。 TMA発光雲でした。流星痕のようなはたまた高層雲のような存在でした。 しばらくはほとんど形を変えずに留まっていたのですが、 10〜15分後には南北方向に広がっていきました。このとき、双眼鏡で見た発光雲は、 まるで桜島上空に現れた竜のような形をしていました。とても感動的でしたよ。
30分もすると雲に隠れたのか発光しなくなったのか、見えなくなりました。

2002.8.3 23h35m〜
PENTAX645 35mmF3.5 固定撮影
フィルム:KODAK E200(2倍増感)
撮影地:鹿児島市内
撮影者:松下 優(鹿児島天体写真協会)