Asteroidal occultation Finder Charts


【2014.3.2 01h19m 太陽系外縁天体 Orcus の衛星Vanth による恒星食】(更新：2014.2.28)


この現象は、Dave Gault氏(IOTA 豪) により、観測可能性のある日本での観測
を呼びかけられており、このサイトにてご紹介します。
予報は現象直前まで更新される可能性がありますので、ご注意ください。

海王星以遠に存在する多数の天体は「太陽系外縁天体(ＴＮＯ)」と呼ばれます。ＴＮＯ天体は
近年の観測技術の進歩により多数発見されており、太陽系の起源を研究する上で極めて重要です。
このオルクス(90482 Orcus) は、エリス，ハウメア，マケマケ 等と同等の大きさを持つと
考えられており「準惑星」の候補天体です。今回の予報は、このオルクスの衛星によるものです。


ＴＮＯ天体は極めて遠方に存在するために、予報の精度を確保することが困難で、また動
きが遅いために恒星食の観測そのものが滅多に得られません。今回の恒星食は、日本国内
でＴＮＯ天体による恒星食が観測される絶好の機会です。
今回の恒星食はＴＮＯ天体による食としては対象星が12等と例外的に明るいものです。
また、現状では +/-1000km以上の誤差を含んでおり掩蔽を起こさない可能性もあります。

現在までに発表されている、Dave Gault氏 と Felipe Braga Ribas 氏(ブラジル) による予報を以下に示します。

 Dave Gault氏(IOTA 豪)による予報ページはこちら



 Felipe Braga Ribas 氏(ブラジル)による予報ページはこちら (更新：2014.2.28)

    食の起こる可能性がある地域と予報の誤差
     ○ 名目上の掩蔽帯は日本を通過していますが、1000km程度の誤差が推定されます。
        このため、日本全国が食の起こる可能性がある地域となります。
     ○ 現象時刻の予報の誤差は +/-１分程と見られますが、さらに大きな誤差を含むこともあり得ます。
        観測は +/-３分以上確保することを勧めます。
  ※ この予報は今後も改良される可能性があります。


【注目】
■ 2014.０３.０２   ０１ｈ１９ｍ ＪＳＴ
  恒星  ：TYC 5476-00882-1   12.1等
          赤経 09h 58m 22.548s，赤緯 -08°16' 55.29"(J2000)
          ろくぶんぎ座
  小惑星：Vanth（Orcusの衛星）  20.5等  推定直径 280km
  減光  ：約 8.4等  継続時間 最長 10.7秒
  掩蔽帯：日本
  備考  ：準惑星候補の太陽系外縁天体(90482)Orcus の衛星


Star : TYC 5476-00882-1  (mag12.1)
Asteroid : Vanth  (mag20.5)


視野５度平方
The SKY 6 により作成


視野２度平方
The SKY 6 により作成


視野30分平方
The SKY 6 により作成

Kuriwa Observatory による改良予報 掩蔽帯経路図，詳細データ 等

観測に成功されたら...
観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏または、せんだい宇宙館早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA，国立天文台，東亜天文学会他、広く公開され星食の研究に役立てられます。

必要なデータは、
1.観測者氏名および氏名のローマ字表記
2.観測地および観測地の経緯度と標高，測地系
3.観測開始と観測終了の時刻
4.減光が観測されたか？減光が観測されなくとも重要なデータです。
5.減光がおきた場合の時刻：減光開始の時刻および減光終了の時刻
6.観測機材
7.時刻保持の方法
です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保時のためには、極力、GPS時計、短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も 0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は１秒以下の遅れがありえますので、前述の時報が得られない場合に使用してください。

改良予報のメール配信サービス
　小惑星による恒星の掩蔽は、現象直前のデータを考慮した「改良予報(IOTA予報)」が発表されることがあります。この「改良予報」を電子メールにて配信するサービスを行いますので、ご希望の方は、「改良予報配信希望」の件名にて、以下のメールアドレスまでお知らせください。
　e-mail:uchukan@bronze.ocn.ne.jp
◆　せんだい宇宙館の活動の成果は、星食の研究に活かされています。

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