観測に成功されたら...
【2013.1.9 5h25m 太陽系外縁天体 ヴァルナ による恒星食】 (20000)Varuna による 15.9等星の食 / 高速に自転する準惑星候補天体による食に注目 (更新:2013.1.8) この現象は、Bruno Sicardy氏(パリ天文台) により、観測可能性のある日本での観測 を呼びかけられており、このサイトにてご紹介します。 予報は現象直前まで更新される可能性がありますので、ご注意ください。 海王星以遠に存在する多数の天体は「太陽系外縁天体(TNO)」と呼ばれます。TNO天体 は近年の観測技術の進歩により多数発見されており、太陽系の起源を研究する上で極めて 重要です。 このヴァルナ(20000 Varuna) は、エリス,ハウメア,マケマケ 等と同等の大きさを持つ と考えられており「準惑星」の候補天体です。また、光度曲線の観測から高速で自転する ことが分かっており、かなりつぶれた楕円形状を持つと推測されています。 TNO天体は極めて遠方に存在するために、予報の精度を確保することが困難で、また動 きが遅いために恒星食の観測そのものが滅多に得られません。今回の恒星食は、日本国内 でTNO天体による恒星食が観測される絶好の機会です。 ただし対象星が 15.9等 と極めて微光であるために大口径の望遠鏡が必須となります。 また、現状では +/-1000km の誤差を含んでおり掩蔽を起こさない可能性もあります。 現在までに発表されている、Sicardy氏による予報を以下に示します。 Bruno Sicardy博士(パリ天文台)による予報ページはこちら 最新の予報 (掲載:2013.1.8) ○ 図中の大きな●は、地球の中心の最接近時刻は 05h27m33s(日本時間) です。 日本付近の最接近時刻は 05h25m(日本時間)頃です。 ○ センターライン上の小さな●は、1毎分の位置を示します。 ○ 実線は予報掩蔽帯で 1000kmの幅を示します。 1月6日〜8日の Pic du Midi 天文台の観測を算入した予報 食の起こる可能性がある地域と予報の誤差 ○ 名目上の掩蔽帯は日本を通過していますが、1000km程度の誤差(1σ)が推定されます。 ○ 現象時刻の予報の誤差(1σ)は 1〜2分程と見られますが、さらに大きな誤差を含むこともあり得ます。 TNO天体(20000 Varuna)の情報 ○ 推定直径は 1000km だが、高速の自転によりかなりつぶれた楕円形状である。(長径は短径の2倍程度) ※ この予報は今後も改良される可能性があります。
【注目】 ■ 2013.01.09 05h25m JST 恒星 :3UCAC 233-089504 15.9等 赤経 07h 49m 36.9990s,赤緯 +26°25' 51.980"(J2000) ふたご座 TNO天体(20000)Varuna 20.0等 推定直径 1000km 減光 :約 4.1等 最長継続時間: 35秒程 --- ただし長楕円の天体であるため誤差が大きい 掩蔽帯:日本,ヨーロッパ 備考 :極めて遠方の天体であるために誤差を大きく見る Star : 3UCAC 233-089504 (mag15.9) Asteroid : (20000)Varuna (mag20.0) 視野5度平方 The SKY 6 により作成 視野2度平方 The SKY 6 により作成 視野30分平方 The SKY 6 により作成 DSS2による 11分平方 写野イメージ Bruno Sicardy(パリ天文台)による予報ページへ 掩蔽帯経路図 等
必要なデータは、
1.観測者氏名および氏名のローマ字標記
2.観測地および観測地の経緯度と標高,測地系
3.観測開始と観測終了の時刻
4.減光が観測されたか? 減光が観測されなくとも重要なデータです。
5.減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
6.観測機材
7.時刻保持の方法
です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非
ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保時のためには、極力、GPS時計、
短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も
0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は1秒以下の遅
れがありえますので、前述の時報が得られない場合に使用してください。