Asteroidal occultation Finder Charts


【2012.1.2 22h19m 太陽系外縁天体 ヴァルナ による恒星食】 (20000)Varuna による 16等星の食 / 高速に自転する準惑星候補天体による食に注目 (更新:2011.12.30)
この現象は、MIT(Massachusetts Institute of Technology) により、観測可能性の高い 日本での観測を呼びかけられており、このサイトにてご紹介します。 海王星以遠に存在する多数の天体は「太陽系外縁天体(TNO)」と呼ばれます。TNO天体 は近年の観測技術の進歩により多数発見されており、太陽系の起源を研究する上で極めて 重要です。 このヴァルナ(20000 Varuna) は、エリス,ハウメア,マケマケ 等と同等の大きさを持つ と考えられており「準惑星」の候補天体です。また、光度曲線の観測から高速で自転する ことが分かっており、かなりつぶれた楕円形状を持つと推測されています。 TNO天体は極めて遠方に存在するために、予報の精度を確保することが困難で、また動 きが遅いために恒星食の観測そのものが滅多に得られません。今回の恒星食は、日本国内 でTNO天体による恒星食が観測される絶好の機会です。 ただし対象星が 15.95等 と極めて微光であるために大口径の望遠鏡が必須となります。 MIT の Amanda Bosh氏によると、60cm以上の口径の望遠鏡が必要だろうとされます。 また、現状では 数1000km の誤差を含んでおり掩蔽を起こさない可能性もあります。 予報の誤差は +/-57秒 とされていますが、恒星が重星であったり、ヴァルナが未知の衛星 を持つ可能性を考慮すると、少なくとも予報時刻前後 +/-10分 以上の観測が望まれます。 対象星が極めて微光であるために、露出を切り詰めることが困難となります。露出時間は 各観測者により、望遠鏡の口径,カメラの感度,空の状態 等を総合的に判断していただく 必要がありますが、仮に数秒程度の露出となっても有益な成果となります。 現在までに発表されている、MITによる予報を以下に示します。 MIT(Massachusetts Institute of Technology)による予報ページはこちら 最新の予報 (更新:2011.12.30) ○ 地球中心での予報時刻(日本時間)は 22h17m頃で、日本付近では 22h20m頃です。予報時刻の誤差は +/-57秒程です。 ○ 実線は予報掩蔽帯で 1000kmの幅を示します。 ○ 予報掩蔽帯の両側の点線は、およその予報誤差(3σ)です。 食の起こる可能性がある地域と予報の誤差 ○ 名目上の掩蔽帯中心は九州付近を通過していますが、数1000km程度の誤差(3σ)が推定され日本全国が対象地域です。 TNO天体(20000 Varuna)の情報 ○ 推定直径は 1000km だが、高速の自転によりかなりつぶれた楕円形状である ○ 2010.2.19 ブラジルで食と通過の観測が各1地点で得られており、つよい楕円形状を示唆している。 ※ この予報は今後も改良される可能性があります。
【注目】2012.01.02 22h20m JST 恒星 :USNOB 1162-0144973 15.95等 赤経 07h 44m 35.59s,赤緯 +26°15' 48.5"(J2000) 小惑星:(20000)Varuna 20.2等 推定直径 1000km 減光 :約 4.25等 継続時間 最長 40秒 掩蔽帯:誤差を考慮すると全国で可能性がある 備考 :準惑星候補の太陽系外縁天体 Star : USNOB 1162-0144973 (mag15.95) Asteroid : (20000)Varuna (mag20.2) 視野5度平方 The SKY 6 により作成 視野2度平方 The SKY 6 により作成 視野30分平方 The SKY 6 により作成 視野10分平方 DSSによる画像 MIT(Massachusetts Institute of Technology)による予報 掩蔽帯経路図,詳細データ 等
観測に成功されたら...
観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏 または、せんだい宇宙館 早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA,国立天 文台,東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に役立て られます。

必要なデータは、
1.観測者氏名および氏名のローマ字標記
2.観測地および観測地の経緯度と標高,測地系
3.観測開始と観測終了の時刻
4.減光が観測されたか?
減光が観測されなくとも重要なデータです。
5.減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
6.観測機材
7.時刻保持の方法

です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非 ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保時のためには、極力、GPS時計、 短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も 0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は1秒以下の遅 れがありえますので、前述の時報が得られない場合に使用してください。


改良予報のメール配信サービス
 小惑星による恒星の掩蔽は、現象直前のデータを考慮した「改良予報(IOTA予報)」が発表されることがあります。 この「改良予報」を電子メールにて配信するサービスを行いますので、ご希望の方は、 「改良予報配信希望」の件名にて、以下のメールアドレスまでお知らせください。
 e-mail:uchukan@bronze.ocn.ne.jp
 せんだい宇宙館の活動の成果は、星食の研究に活かされています。
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