Asteroidal occultation Finder Charts


【2010.5.20 01h39m 冥王星による恒星食】 準惑星(134340)冥王星 による 13.2等星の食 (更新:2010.5.18) 【重要な更新 (2010.5.18) 5月16日に掲載した最初の情報では、現象時刻を 3h25m をとしてお知らせしておりま したが、01h39m に修正されます。ご注意下さい。
16日時点で掲載した予報は、対象星が 2UCAC 24922301(mag13.2) ではなく、その近傍 のさらに微光の恒星(ID 不明)であることが判明しました。しかしながら、これはあま りに微光すぎて観測は極めて困難と思われます。Bruno Sicardy氏 によると、冥王星 は、現在 夏の銀河にいるために、通常の予報にかからない"埋もれた現象"が多数あり、 これもそのひとつであるとのことです。 一方、注目されていた 2UCAC 24922301(mag13.2) についても、さらに改良を加え た結果、01h39m頃 やはり日本付近で食を起こす可能性のあることが分かり ました。 時刻の誤差は数分程度と考えられますが、当然ながらメインベルトの小惑星に比して 冥王星は極めて遠方ですので、さらに広い誤差を想定して観測に臨んでください。 Sicardy氏 のご厚意により、最新の予報を提供いただきましたので、このページに掲 載しました。同氏は、「日本付近は接食の状態になる可能性があり、このような場合、 冥王星の大気による緩やかな増減光の起こる可能性がある。特に、重力波(訳注: "gravity waves" と記されている)を検出することに大きな関心がある。」と述べてい ます。 以上は、国立天文台 相馬充先生の協力を得て情報を取得しました。感謝!

(2010.5.16 掲載文) この現象は、Goffin 氏の初期予報で見出されており、たいへん重要な現象として注目 しておりました。しかしながら、IOTA (The International Occultation Timing Association) により議論された結果、この現象は地球に影を落とさないだろうとされていました。 この見解は現在までに変更されていませんが、冥王星を始めとする TNO天体 による 恒星食の研究者である Bruno Sicardy氏 (IUF:Institut Universitaire de France) からは、日本を中心とするアジアの広域で、この現象が起こる可能性があるとして その予報が公開されました。 ※ 今後も新たな情報が得られる可能性がありますので、現象当日まで、このページに ご注意下さい。 冥王星による恒星食は、過去に数回しか観測に成功していません。そして、これら の観測からは、冥王星の大気の組成に関する重要な情報も検出されています。 今回の対象星は 13等級ですからかなり困難な観測ではありますが、現象の重要性 を鑑みてご協力をお願い申し上げます。
【注目】2010.05.20 01h39m JST 恒星 :2UCAC 24922301 13.2等 (GSC星表に該当なし) 赤経 18h 20m 14.631s,赤緯 -18°11' 49.64"(J2000) いて座 小惑星:(134340)Pluto 14.4等 推定直径 2306km 減光 :約 1.7等 継続時間 最長 127.7秒 掩蔽帯:全国 ランク=減光の観測される可能性を示す指標。高ポイントほど確率が高い。 備考 :冥王星による恒星食 Star : 2UCAC 24922301 (mag13.2) Asteroid : (134340)Pluto (mag14.4) 視野5度平方 The SKY 6 により作成 視野2度平方 The SKY 6 により作成 視野30分平方 The SKY 6 により作成 視野2.7x2.7分平方 Bruno Sicardy氏 提供 Bruno Sicardy氏(Institut Universitaire de France (IUF) )による改良予報 PDFファイル: 121KB
2010.05.20 03h25m JST 同夜に起こる別の恒星(近傍の微光星)による恒星食 Bruno Sicardy(Institut Universitaire de France (IUF) )による改良予報 掩蔽帯経路図 等 この予報の対象星は、2UCAC 24922301(mag 13.2) ではなく、ごく近傍のさらに微光の恒星(ID 不明)です。 極めて微光のため観測は困難と思われますが、参考のため併記して紹介いたします。
観測に成功されたら...
観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏 または、せんだい宇宙館 早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA,国立天 文台,海上保安庁水路部,東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に役立て られます。

必要なデータは、
1.観測者氏名および氏名のローマ字標記
2.観測地および観測地の経緯度と標高,測地系
3.観測開始と観測終了の時刻
4.減光が観測されたか?
減光が観測されなくとも重要なデータです。
5.減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
6.観測機材
7.時刻保持の方法

です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非 ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保時のためには、極力、GPS時計、 短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も 0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は1秒以下の遅 れがありえますので、前述の時報が得られない場合に使用してください。


改良予報のメール配信サービス
 小惑星による恒星の掩蔽は、現象直前のデータを考慮した「改良予報(IOTA予報)」が発表されることがあります。 この「改良予報」を電子メールにて配信するサービスを行いますので、ご希望の方は、 「改良予報配信希望」の件名にて、以下のメールアドレスまでお知らせください。
 e-mail:uchukan@bronze.ocn.ne.jp
 せんだい宇宙館の活動の成果は、星食の研究に活かされています。
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