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１月２８日１９時２８分、鹿児島県上空に大火球(極めて明るい流星)が出現しました。
この火球はせんだい宇宙館を含む県内外から４件の報告がなされました。(2月5日現在)
せんだい宇宙館のデータは宮崎天文協会の前田幸治さんを通じて 日本流星研究会(ＮＭＳ)へ報告されています。
前田さんはせんだい宇宙館と宮崎市の山本さんの目撃情報より、出現の位置を概算されて おりますが、それによるとこの火球は大口市の南１０ｋｍ付近の上空で発光し、桜島の上空を 通過し、大隅半島南部で消滅した模様です。
この経路であれば、鹿児島市内からも極めて明るい流星を、桜島のはるか上空に見ることが 出来たものと思われます。
以下に目撃時の情報及び前田氏からのレポートを転載致します。
せんだい宇宙館からの目撃情報（原文より抜粋）
火球の報告です。前田さんは流星の方面でかなり活躍されていますので メールを託したいと思います。お願いしてよろしいでしょうか。
日時：１月２８日１９時２８分頃
発光点：1 Gem 付近
消滅点：γLep 付近
光度：比較星がないので難しいところですが、 金星よりははるかに明るく、月よりははるかに暗い。でした。 −７等くらいか？
状況:
接客中にお客さんが「ああ．．．」と声を上げたので思わず振り返って見た。 ちょうどオリオン座の横を通過して行くところで、かなり明るい緑色に 輝き、その後多数に分裂してウサギ座とおおいぬ座の境い目付近で消滅した。 音はしなかった。発光点は現象の直後にお客さんに聞いて確認した。
その時、私とお客さん３名の計４名が目撃。
報告者：せんだい宇宙館 早水 勉
せんだい宇宙館から見た火球の経路
宮崎市 山元成郎さんからの目撃情報（原文より抜粋）
本日、火球を確認しました。
職場から帰宅後、車から降り空を見上げたとたん美しい色の火球を見ました。この美 しい色とは、緑色の花火の色です。そう言うわけでまるで打ち上げ花火を見ているよ うでした。
流れた方向：アンドロメダ座のアルファ=ペガスス座のデルタから木星と土星の中間 を通った所で建物の陰に隠れてしまった。その後、どこまで流れたかは解かりません。
（以下に詳細なデータが添付されていましたが、略します）
前田さんからの解析報告（原文より抜粋）
前田幸治です。
早水さん、山本さんよりさらに詳しい情報をいただき、再計算しました。
今回の計算では、火球は鹿児島県大口市の南１０ｋｍの上空あたりで 発光し、桜島の上空を飛行し、大隅半島南部で消滅したもようです。 ただし、観測データをそのまま使うと発光点光度が６０ｋｍ、消滅点光度が 約４０ｋｍと不自然な値になります。この原因の一つは眼視観測の誤差もありますが、 火球の突入角が、二人の観測からでは５度から１０度（輻射点は北極星の真下の仰角 ５度ぐらい）となり地球の大気に水平に近い角度で突入してきたことにも起因します。 隕石の落下の可能性は火球の速度に寄りますが、−７等では可能性は薄いと思われます。
これより、鹿児島市では天頂付近を−７等の三日月クラスの火球が飛んだようですから、 鹿児島天文協会に問い合わせてみます。
火球観測ではこのように２点以上の観測がそろうと飛んだ場所がわかって、いろいろ とおもしろいです。
今回は、観測者が二人とも天体観測の経験者だったことに加え、飛んだ位置が 二人の間という幸運もあって、かなり具体的な数値まで分かりました。
1999.2.5 追加記事水田武次郎さん(佐賀県)からの目撃情報（原文より抜粋）
はじめまして、私は佐賀県太良町在住の佐賀天文協会会員で39才です。
実は、今日の夕飯時に、母が「急に思い出した」と言って 「昨日、車で自宅に帰る途中で偶然流れ星が落ちるのを見た」と言うのです。 最初は何かの勘違いと思ってとりあわなかったのですがどうもほんとらしいので、 よくよく聞いてみると28日の19時28分頃、外出先から車で帰宅中偶然、すぐ近くに 流れ星が落ちるのを見たらしいのです。
もちろんうちの母は、素人ですので正確な時刻も経路も方角もほとんど判りません が、ちなみに「空は明るくなった？」と聞けば「明るくなった」と答えるし 「落ちる途中で分裂せんゃった？」と聞けば「うん」 「じゃいくつぐらい？」「ん・・・・・・4、5個ぐらいかな？」 「音は？」「わからんにゃった」 と、大変心細いかぎりですが、もしこれが本当なら 「た、た、た、たいへんだあ〜」とあわてている自分です。
そのほかの情報としては、新聞社に「南の方に（佐賀から見て）明るい流れ星が流 れた」と、問い合わせがあったぐらいで、落ちた場所が特定出来るような情報は有 りません。 お忙しいなか大変恐縮ですが、なにか情報が有りましたらお知らせ願いませんでし ょうか？