星食観測用「宇宙館式GPSラジオ」


 星食観測用に改良したGPS同期の発光ダイオード点滅&音声信号発生装置の回路図と実体配線図です。
実際の観測においては、ビデオによる星食の撮影の際に、LED(発光ダイオード)を明視野または暗視野照明として使用するか、 音声信号(Line Out)をビデオの音声入力端子に接続して使用します。音声信号を利用する場合の利点は、 観測現場での配線が簡素化されることと、撮影される映像に悪影響の無いことがあげられます。 しかし、時刻の精密な測定は家庭用のビデオデッキでは困難です。 その場合は、ビデオテープをせんだい宇宙館まで送付下さい。
 LEDの点滅を利用する場合は、観測機器の構成がやや複雑になりますが、 家庭用のビデオデッキでもコマ送りにより時刻の精密な測定が可能となります。

 出力仕様の違いにより、「超簡易型」「簡易型」の2タイプを考案しました。 各々の回路図および実体配線図を示します。

■宇宙館式GPSラジオ−超簡易型−■

 入力信号の立ち上がりに同期して、発光ダイオード(赤)音声出力信号(2000Hz)が出力されます。 正分信号は受信されませんので、電話時報などを聞きながら正分と同時にリセットスイッチを押下します。 その後は、正分時にのみ発光ダイオード(赤)と音声出力信号が出力されなくなります。
 オプションにて正分時にのみ点灯する発光ダイオード(緑)を取り付けて下さい。

* 音声出力信号の周波数(1秒毎に発する「ピッ」という音)は、図中5kオームの可変抵抗を調整することで得られます。 音色を調整するだけのものですので厳密に2000Hzに設定する必要は有りません。 回路を動作させながら聴きやすい音に調整することでOKです。

ICのピンレイアウトは下図を参照下さい。また、トランジスタと発光ダイオードには極性がありますのでご注意下さい。


■ 部 品 表 ■
アルミケース                 :1ケ
P板                         :1ケ
炭素皮膜抵抗(10kΩ 1/4W)     :2ケ
炭素皮膜抵抗( 5kΩ 1/4W)     :1ケ
炭素皮膜抵抗( 1kΩ 1/4W)     :3ケ
可変抵抗(P板用: 5kΩ)        :1ケ
電解コンデンサ(100μF)       :1ケ
電解コンデンサ( 10μF)       :1ケ  *
セラミックコンデンサ(0.1 μF):1ケ
セラミックコンデンサ(0.01μF):2ケ  *
TTL IC  NAND*4p     74132    :1ケ
TTL IC  INV *6p     7414     :1ケ
TTL IC  10進カウンタ*2p 74390    :1ケ
ICソケット  16pin DIP      :1ケ
ICソケット  14pin DIP      :2ケ
ICソケット   8pin DIP      :1ケ
トランジスタ  2SC1815        :1ケ
発光ダイオード  赤           :1ケ
ダイオード      10E-1        :1ケ  *
押しボタンスイッチ           :1ケ
以下はオプション
炭素皮膜抵抗( 1kΩ 1/4W)     :1ケ
発光ダイオード  緑           :1ケ

上記部品中「*」のマークのものは、ノイズ除去用および回路保護用のもののため、
回路図には記載されていません。
■宇宙館式GPSラジオ−簡易型−■

 入力信号の立ち上がりに同期して、発光ダイオード(赤),音声出力信号(1500Hz)およびスピーカー音声(1500Hz)が出力されます。 正分信号は受信されませんので、電話時報などを聞きながら正分と同時にリセットスイッチを押下します。 その後は、正分時にのみ発光ダイオード(緑),音声出力信号(2000Hz)およびスピーカー音声(2000Hz)出力されます。

* 音声出力信号の周波数(1秒毎に発する「ピッ」という音)は、図中5kオームの可変抵抗を調整することで得られます。 音色を調整するだけのものですので厳密に設定する必要は有りません。 回路を動作させながら聴きやすい音に調整することでOKです。 「1500Hz」と記入してある方の可変抵抗が「秒信号」、「2000Hz」と記入してある方が「分信号」です。 実体配線図中では基板ほぼ中央の可変抵抗が「秒信号」です。

■ 部 品 表 ■
アルミケース                 :1ケ
P板                         :1ケ
炭素皮膜抵抗(10kΩ 1/4W)     :3ケ
炭素皮膜抵抗( 5kΩ 1/4W)     :1ケ
炭素皮膜抵抗( 1kΩ 1/4W)     :4ケ
可変抵抗(P板用   : 5kΩ)     :2ケ
可変抵抗(パネル用: 5kΩ)     :1ケ
電解コンデンサ( 47μF)       :1ケ
電解コンデンサ( 10μF)       :1ケ  *
セラミックコンデンサ(0.1 μF):2ケ
セラミックコンデンサ(0.01μF):2ケ  *
TTL IC  NAND*4p     74132    :2ケ
TTL IC  INV *6p     7414     :1ケ
TTL IC  10進カウンタ*2p 74390    :1ケ
ICソケット  16pin DIP      :1ケ
ICソケット  14pin DIP      :3ケ
ICソケット   8pin DIP      :1ケ
トランジスタ  2SC1815        :2ケ
発光ダイオード  赤           :1ケ
発光ダイオード  緑           :1ケ
ダイオード      10E-1        :1ケ  *
押しボタンスイッチ           :1ケ
スピーカー                   :1ケ

上記部品中「*」のマークのものは、ノイズ除去用および回路保護用のもののため、
回路図には記載されていません。
■超簡易型と簡易型の仕様の相違について■
 宇宙館式GPSラジオの超簡易型と簡易型は、出力の仕様が異なります。出力の仕様の違いを以下の表に示します。
超簡易型 簡易型
正分専用のLED オプション 有り(緑LED)
正分時の秒LED表示 点灯しない 点灯する
正分時の音声出力周波数 発信しない 2000Hz(可変)
毎秒(正分を除く)の音声出力周波数2000Hz(可変)1500Hz(可変)
スピーカー 無し 有り
GPS時計として使用するには、上記の回路にGPS受信機を接続する必要があります。 GPS受信機にはいろいろな機種が製品化されていますが、精密なタイミングはGPSユニットの仕様によって出力の方法が違いますので、 ご注意下さい。UTCに同期したTTLレベル秒パルス信号のとれる受信機であれば接続可能です。
宇宙館式GPSラジオは SPAシステムプロデューサアソシエイツ社のジュピターにて動作確認しております。

* 「宇宙館式GPSラジオ」は、せんだい宇宙館早水勉により考案されました。
* このシステムの開発に当たりましては和歌山県金屋町生石高原天文台の下代博之氏より多大なる ご援助を頂きました。この場を借りまして御礼申し上げます。


■改訂履歴■
2000.05.02 : 信号入力部のフォトカプラを撤去。信号遅延の改善を優先。
2000.05.02 : Line Out 部の抵抗値を変更。オーディオレベルに合わせるため。

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