2003.09.発表

掩蔽観測の組織化と近年の成果

せんだい宇宙館,瀬戸口貴司氏(JOIN),相馬充氏(国立天文台) により日本天文学会2003年秋季年会(於:愛媛大学)にて発表された内容です。
------------------------------------------------------------------------

          掩蔽観測の組織化と近年の成果

早水 勉(せんだい宇宙館),瀬戸口貴司氏(JOIN),相馬充氏(国立天文台)

  掩蔽観測ではアマチュアの参加が積極的に求められている。この分野の観測がアマチュ
アに向く理由として「観測者が多いほど成果が高まる」「小望遠鏡でも大望遠鏡に劣らな
い」「眼視の観測も有益である」「天文学的な価値が高い」「予報が得やすい」「観測結果が
直ちにわかりやすい成果に結びつく」等があげられる。同じ理由から、掩蔽観測は生きた
科学教育としての側面的な効果も期待される。
  これら掩蔽観測の特色は、主たる観測すべき物理量が時刻であることに集約される。国
内においては早水,瀬戸口らにより、アマチュアを対象としたGPS時計,ビデオ観測用
タイムインポーザ(TIVi),時刻同期用ソフトウエア(Satk)が開発され普及しておりプ
ロの観測を匹敵する成果を上げている。
  特に近年では、小惑星による恒星の食において、予報・観測・解析・整約の体制の整備
が進められ多数の成果が得られている。最近の話題として、2002.4.7小惑星(55)Pandora
によるPolluxの食(天候不良により観測不成立),2002.12.16土星の衛星Tethysによる
恒星食,2003.3.23小惑星(704)Interamniaによる恒星食、など顕著なイベントもあり注
目を集めた。
  講演では、IOTA(The International Occultation Timing Association),JOIN(Japan 
Occultation Information Network) を中心とした現在の観測体制と近年の成果および展望
について述べる。

------------------------------------------------------------------------
* このページは、日本天文学会2003年秋季年会予稿からの転載です。

星食のページへ戻る
星食のページへ戻る