2000.04.発表
GPS利用の汎用超高精度時刻保持LSIの開発
せんだい宇宙館,下代博之氏(生石高原天文台),相馬充氏(国立天文台)の共同の活動成果が
日本天文学会2000年春季年会(於:東京大学)にて発表されました。
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地上観測機器(時報,JJY,UTC,GPS)
GPS利用の汎用超高精度時刻保持LSIの開発
早水 勉(せんだい宇宙館),下代博之(生石高原天文台),相馬充(国立天文台)
手軽に正確な時報を得る手段として、これまで郵政省通信総合研究所の管理に
より発せられる短波標準電波JJYを受信することが広く行われてきた。短波
JJYは、2001年3月31日をもって廃止されることが決まっており、代わって、
1999年6月10日より長波標準電波JJYが運用されている。標準電波が短波局か
ら長波局に切り替えられるのは、長波の方が電離層の影響を受けにくく精度が安
定していること、長波の時報による電波時計が開発され使用されていることなど
があげられる。しかしながら、一般に市販されている電波時計は応答速度の限界
から時刻に0.1〜0.3秒ほど遅れがあるのが一般的で、遅れの幅も安定して
いないため、星食観測をはじめ精密な時刻精度を要求される目的には使用できな
い。
私たちは、「GHS(Geshiro-Hayamizu-Soma)時計」と名付けた、GPS
(Global Positioning System)を利用して、簡易かつ安価に精密な時報を得る
LSI(大規模集積回路)の開発に成功した。これは、UTC(協定世界時)に
同期した時報を、秒パルス信号や音声信号に変換するもので、ユーザーの意図に
よる拡張性を持たせてある。この「GHS時計」によれば、原子時計に匹敵する
高精度の時刻を、短波ラジオ並みのコストで取得できることとなり、天文観測の
みならず、非常に広範な分野での利用が期待できる。
時刻精度は、接続するGPS受信機の精度に依存するが、受信機メーカーの仕
様では、対UTC+/-500ナノ秒を保証、また実測によっても少なくともミリ秒ク
ラスの精度のあることが確認された。これは、短波長波標準電波JJYを受信す
るよりも高精度である。
「GHS時計」に関する情報は、せんだい宇宙館のホームページ、
http://www2.synapse.ne.jp/uchukan/ に詳しく掲載されているので、参照され
たい。
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* このページは、日本天文学会2000年春季年会予稿からの転載です。
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