2005.01.24 小惑星フローラによる掩蔽の観測成果


 2005.01.24 23時14分頃 観測された小惑星フローラ(8 Flora)による恒星食の結果です。
この現象は、IOTA(The International Occultation Timing Association)により予報されていたものです。 掩蔽された恒星は、ふたご座にある 8.3等星(HIP 36864)です。 極めて好条件で成果が期待されましたが、掩蔽帯に当たっていた地域は不運にも天候不良で観測することが出来ませんでした。 その中で、晴れ間を求めて滋賀県から三重県熊野市まで遠征観測に臨んだ石田正行さんにより、 みごとに食による減光が観測されました。 また、福井英人さん(静岡県藤枝市)では通過(食なし)が観測されました。

下図はせんだい宇宙館による整約計算の結果です。推定 136kmの小惑星に対して、108.6kmの小惑星の弦が求められました。 この結果、石田さんは小惑星の北側を観測したものと推測されます。

フローラによる掩蔽
Reduced by Tsutomu Hayamizu. (Update 2005.1.30)

※ 観測結果は星食のメーリングリスト JOIN に公開されたものです


食の観測されたビデオ映像より
以下は、食の観測された、石田正行様のビデオ映像から作成した、食の瞬間の1/30秒毎 連続画像です。
この現象は、小惑星の明るさが 8.8等と例外的に明るく、 隠される恒星 8.3等とほぼ同等であることが特徴でした。 さてこの場合の食による減光を考えてみましょう。食の前後は、小惑星(8.8等)と恒 星(8.3等)の合成された 7.8等が食直前の明るさで、食が起きた瞬間に小惑星のみの明るさに変化す るため 1.0等の減光となります。
眼視やビデオの観測では一般的に 0.5等前後が減光を見分けられる限界です。むろん、減光が大きい ほど観測に有利です。

石田正行さん提供(三重県熊野市)

Recorde by Masayuki Ishida. (Kumano Mie, Japan)


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