2003.12.16 小惑星アルフォンシーナによる掩蔽の観測成果


 2003.12.16 00時59分頃、千葉県から岡山県の広い範囲6箇所で観測された、 小惑星アルフォンシーナ(925 Alphonsina)による恒星食の結果です。
 この現象は、IOTA(The International Occultation Timing Association) により改良されていた予報で、ほぼ予報どおりに7地点の観測者により減光が観測されました。 また、4箇所では通過(食なし)が報告されました。 掩蔽された恒星は、ぎょしゃ座にある10.8等星(TYC 2908-00997-1)です。
 この小惑星による恒星食は世界的にも初めてのことです。整約計算の結果か らは、推定直径54kmよりもかなり大きな、66〜78km の弦が求められています。 直径の推定は絶対等級から求めたものですので、この天体の反射率はかなり小 さいか、あるいはかなり扁平な立体形状であることが推測されます。
 下図はせんだい宇宙館による整約計算の結果です。

アルフォンシーナによる掩蔽
Reduced by Tsutomu Hayamizu. (Update 2004.1.17)

また、図中に収まっていませんが、前田幸治さん(宮崎県宮崎市)からも通過の観測を頂きました。
電通大の観測は、萩原正敏さん、岡村智史さん、藤原義隆さん、の共同によるものです。


Dave Herald氏(豪)による解析結果
今回の現象における、Dave Herald氏(豪)による解析の結果をご紹介します。

Herald氏は、この観測に対し、長径77.8km+/-0.5km 短径63.9km+/-5.9km の楕円を当てはめ ておられます。橋本さんの通過の観測が重要で、正円は否定されます。 また、整約計算から得られた 改良予報のズレはわずか 10km でした。
なお、井狩さんの観測については、報告の数値を尊重するが、敢えて出現時刻を 1.0sec遅らせた位置で計算されています。


食の観測されたビデオ映像より (掲載:2003.12.31)
以下は、食の観測された、福井英人様(京都市),北崎勝彦様(東京都武蔵野市) のビデオ映像から作成した、食の瞬間の連続画像です。各氏のご厚意によりまして掲載しております。

福井英人さん提供(京都市)
減光の瞬間
(Dis-appearance)
増光の瞬間
(Re-appearance)

Recorde by Hideto Fukui.(kyoto.)

北崎勝彦さん提供(東京都武蔵野市)
減光の瞬間
(Dis-appearance)
増光の瞬間
(Re-appearance)

Recorde by Katsuhiko Kitazaki.(Musashino Tokyo.)


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