2002.11.29 小惑星リグリアによる掩蔽の観測成果


 2002.11.29 03時45分頃、九州地方で観測された小惑星リグリア(356 Liguria)による恒星食の結果です。
この現象は、IOTA(The International Occultation Timing Association)により予報されていたもので、 5名の観測者により減光が観測されました。 掩蔽された恒星は、しし座にある 8.7等星(HIP 51388)で、主に九州のアマチュア観測者らにより成果を収められました。
下図はせんだい宇宙館による整約計算の結果です。 この結果から、108〜122kmの小惑星の弦が求められました。なお、この小惑星の推定直径は131kmで、この大きさの円を 図中に記入してあります。

リグリアによる掩蔽
Reduced by Tsutomu Hayamizu. (Update 2002.12.15)

清和高原天文台の破線部分は、減光が確認されましたが経緯度のみのデータであることを示します。
減光を観測された、木佐貫篤さん,前田幸治さん(以上 宮崎県天文協会),前田利久さん(鹿児島県天文協会),松下優さん(鹿児島県天体写真協会)の 4名は、予報の掩蔽帯まで遠征されての観測です。

以上の他にも、浜野和天文台(福島県郡山市)から「食せず」の報告を頂いておりますが、遠方のため図中に示されていないことをお詫び申し上げます。


食の観測されたビデオ映像より (掲載:2002.12.18)
以下は、食の観測された、前田幸治さん(宮崎県天文協会),前田利久さん(鹿児島県天文協会),松下優さん(鹿児島県天体写真協会) のビデオ映像から作成した、食の瞬間の連続画像です。各氏のご厚意によりまして掲載しております。

前田幸治さん提供
食の瞬間の 1/30秒毎の連続画像です。200mmカメラレンズと I.I.(光電子増倍管)の組み合わせで記録されています。
減光の瞬間増光の瞬間

前田利久さん提供
食の瞬間の 1/30秒毎の連続画像です。口径20cmニュートン反射望遠鏡にCCDモジュール(ビクセンB05-3M)を組み合わせました。
減光の瞬間増光の瞬間

松下優さん提供
食の瞬間の 1/30秒毎の連続画像です。口径23.5cmシュミットカセグレン望遠鏡にCCDモジュール(WATEC NEPTUNE100)を組み合わせました。 減光と増光の過程が良く分かります。
減光の瞬間増光の瞬間


■ 関連のリンク ■
広瀬敏夫氏(東亜天文学会)による整約計算結果
瀬戸口貴司氏(東亜天文学会)による整約計算結果



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