2004.8.12 月面衝突発光を捉えた!

月面衝突発光とは、月面に微小天体が衝突した衝撃で、微小天体と月面の一部が瞬間的に高温のガスやプラズマとなり発光する現象です。
地球への微小天体衝突の場合、地球には大気があるために、"流れ星"として観察されます。 月面では、大気がないために、微小天体が月面に衝突した瞬間に光を放つとされています。 大流星雨となったことで有名な しし座流星群の際には、流星群の元となるダストが月面に衝突したこと で発光したとされる複数の観測が得られました。

本年のペルセウス座流星群に際して、この月面衝突発光現象が観測されるかもしれないと、 柳澤正久さん(電通大)、大西浩次さん(長野高専)らにより、全国的に観測の呼びかけが成されました。
そしてこの観測に、愛知県立一宮高等学校地学部(於:長野県小川村天文台)、藪保男さん、井田三良さん(於:ダイニックアストロパーク天究館)、 安達誠さん、石田正行さん、(藪,井田,安達,石田 の四氏はいずれも滋賀県)らが見事に成功しました。 第1発見者は一宮高校地学部でした。 それぞれ、異なる観測地から、いずれも、同じ月面の位置に同時に発光を記録していますので、確実に月面で起きたものです。 これは、しし座流星群以外では世界初の、極めて貴重な観測成果です。
石田正行さんから、この貴重な映像の中から、現象の瞬間を切り出した画像をお送りくださいました。

<関連のサイト>
柳澤研究室/月面衝突発光

月面発光の瞬間
ペルセウス流星群による月面発光

石田正行さんのコメントより
愛知県立一宮高等学校地学部、県内では藪保男氏、井田三良氏、 安達 誠氏が観測を成功されています。情報が入るまでは、確認で きませんでした。 正直、VTRで、発光に気付いた人は本当にすごいと思います。

現象日時:2004年8月12日 03時28分
観測地 :滋賀県守山市
135°56′ 46.7 E 35°05′12.8N 標高85.0m
観測機材:反射望遠鏡 D160mm FL1000mm (高橋MT160) / WAT100直焦
時刻保持の方法:GHS時計+TIVIにより録画およびGHS時計録音
撮影者: 石田正行

※ このページの掲載に当たりましては、柳澤正久さま(電通大)にも情報をご提供頂きました。この場をかりまして御礼申し上げます。