Asteroidal occultation Finder Charts


【2008.1.3 02h42m 連星系の小惑星による恒星食】※1 小惑星(90)Antiope による 11.2等星の食 / 衛星 による食に注目 (更新:2007.12.29) この小惑星アンティオペ(90 Antiope) は、大きな衛星(※2) を持つ「バイナリ小惑星」です。 今回の恒星食は、日本国内で衛星による恒星食が観測する絶好の機会です。 J.Berthier氏(IMCCE,パリ天文台) によると、一地点で2回の減光が起こる可能性もあります。 連星系の小惑星のため予報の誤差が大きい可能性があるので、掩蔽帯から遠い地域でも注目し てください。また、観測された方には是非ご報告をお願い申し上げます。 現在までに発表されている、3件の予報を以下に示します。 ※ 元の予報に対して、相馬充氏(国立天文台)のご協力による、より分かりよい説明や注釈を含みます。 J.Lecacheux (仏/IOTA Europe)による改良予報 下記の、Preston予報(IOTA) と Berthier予報(IMCCE) を相補的に組み合わせた最新の予報です。 小惑星本体による掩蔽帯を赤で、衛星による掩蔽帯を青で示しています。 J.Lecacheux氏からは以下の重要な情報が提供されています。 小惑星本体と衛星の相対的な情報 ○ 小惑星本体の直径 93km, 衛星の直径 88.5km として作図しています (※2) ○ 食の継続時間は最大で、小惑星本体 5.9秒, 衛星 5.7秒 です。 ○ 衛星と本体の食の中心時刻は、衛星が 5.3秒 本体よりも先行します。 ○ 計算上で、本体と衛星の経路の間には、30〜35km の隙間があります (注意:本体と衛星の経路が重なっている可能性も排除できません。2度の減光の可能性あり) 食の起こる可能性がある地域 ○ 予報の誤差(1σ)は、Preston予報の 45km を採用した場合、掩蔽帯の幅の 1/2 程となります。 ○ 現象時刻の予報の誤差(1σ)は、3.5秒です。 ○ 予報の掩蔽帯は、近畿地方から関東地方が当たっています。 ○ 食の起こる可能性(3σ)のある地域は、南側:中国四国地方 〜 北側:福島県,新潟県 です。 (注意:連星系の予報で誤差が大きい可能性があるため、さらに広い地域で観測をカバーする ことが望まれます。 対象星(TYC 1895-01450-1)の情報 ○ 対象星は巨星か超巨星と見られます。(二重星による観測精度の低下の恐れは低い) ○ 対象星の等級/ Vmag = 11.2, Rmag = 10.8, Imag = 10.1 (注意:赤い星です。CCDによる観測は赤に感度が高いため条件が良くなります。) Steve Preston(IOTA)による改良予報 掩蔽帯経路図,詳細データ 等 現在世界中で参照されている、Preston氏(IOTA) による予報です。 小惑星系全体の予報としては、以下の IMCCE による予報よりも検討がなされており、 より信頼性が高いと思われます。衛星の予報は含まれません。 J.Berthier 博士による予報図/ (IMCCE,パリ天文台) 今回のAntiope と衛星 による食を目的に IMCCE J.Berthier 博士により計算され た予報図です。小惑星本体による掩蔽帯を赤で、衛星による掩蔽帯を青で示してい ます。 小惑星本体Antiope と 衛星 との相対位置に重きを置いた予報です。 衛星 による食は、Antiope本体 よりも 5.3秒ほど先行して起こるだろうとされてい ます。 ※1:衛星を持つ小惑星による恒星食 恒星食により、小惑星本体とその衛星が同時に観測された確実な例は、 2006年11月、日本で観測された 小惑星(22)Kalliope と その衛星Linus の一度 しかない。この観測においても、事前に IMCCE による予報が公開されていた。 小惑星本体と衛星で観測に成功すると、力学的な解析と組み合わせる発展性が 飛躍的に増すため貴重な成果となる。 ※2:小惑星アンティオペ(90 Antiope) の衛星 2000年8月 ハワイの Keck II望遠鏡により発見された。その後の相互食の観測 により、 本体の直径 93.0km x 87.0km x 83.6km 衛星の直径 89.4km x 82.8km x 79.6km とされ、衛星のサイズはかなり大きく、連星系というほうが相応しい。 参照:ESO Press Releases 2007 / 29 March 2007
【注目】2008.01.03 02h42m JST 恒星 :TYC 1895-01450-1 11.2等 赤経 07h 01m 27.124s,赤緯 +24°22' 12.33"(J2000) ふたご座 小惑星系 (90)Antiope 13.2等 推定直径 120km 小惑星本体の推定直径 93km 衛星の推定直径 88.5km 減光 :約 2.1等 最長継続時間 小惑星本体 5.9秒, 衛星 5.7秒 本体と衛星による2回の減光の起こる可能性があります 掩蔽帯:関東,中部,近畿 ランク:98ポイント ランク=減光の観測される可能性を示す指標。高ポイントほど確率が高い。 備考 :衛星を持つ小惑星 Star : TYC 1895-01450-1 (mag11.2) Asteroid : (90)Antiope (mag13.2) 視野5度平方 The SKY 6 により作成 視野2度平方 The SKY 6 により作成 視野0.5度平方 The SKY 6 により作成 Steve Preston(IOTA)による改良予報 掩蔽帯経路図,詳細データ 等
観測に成功されたら...
観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏 または、せんだい宇宙館 早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA,国立天 文台,海上保安庁水路部,東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に役立て られます。

必要なデータは、
1.観測者氏名および氏名のローマ字標記
2.観測地および観測地の経緯度と標高,測地系
3.観測開始と観測終了の時刻
4.減光が観測されたか?
減光が観測されなくとも重要なデータです。
5.減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
6.観測機材
7.時刻保持の方法

です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非 ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保時のためには、極力、GPS時計、 短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も 0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は1秒以下の遅 れがありえますので、前述の時報が得られない場合に使用してください。


改良予報のメール配信サービス
 小惑星による恒星の掩蔽は、現象直前のデータを考慮した「改良予報(IOTA予報)」が発表されることがあります。 この「改良予報」を電子メールにて配信するサービスを行いますので、ご希望の方は、 「改良予報配信希望」の件名にて、以下のメールアドレスまでお知らせください。
 e-mail:uchukan@bronze.ocn.ne.jp

星食のビデオを解析致します
 星食のビデオ観測に成功されましたら、是非せんだい宇宙館まで送付下さい。 ビデオを解析して正確な現象時刻を測定致します。
 お届け頂きましたビデオテープは、原則として測定終了後に返送致しますが、予め返送の必要の有無について、 ご指示頂ければ幸いです。なお、ビデオテープはダビングされたものでも構いません。
(測定可能なフォーマット/VHS,S-VHS,DV,miniDV,DVCAM いずれも標準速のもの)
 ■ 星食のビデオの送付先
 〒895-0005 鹿児島県薩摩川内市永利町2133番地6
 せんだい宇宙館  早水 勉
 TEL 0996(31)4477 FAX 0996(29)2112
 e-mail:uchukan@bronze.ocn.ne.jp
測定の結果はご提供者にお伝えいたしますと共に、IOTA,国立天文台,海上保安庁, 東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に活かされます。

 せんだい宇宙館の活動の成果は、星食の研究に活かされています。
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